涼野風介と南雲晴矢
その二人の食事風景はおかしなものである。
「お前、ほんっとによくそれで生きてられるよなー。」
「君のように食べたらそれこそ死んでしまうよ。」
一方には山のような食糧。(主に肉。)
一方にはマグカップ一杯のホットミルク。
「でも、君の食事ぶりを見ているのは中々悪くない。」
「はあ?」
「人間の罪深さを目の当たりにしている気分だ。」
「…悪趣味ヤロー。」
頬を肉でもりもりに膨らませながら南雲は悪態を吐いた。しかし涼野は涼しい顔をしてミルクをこくこく飲んでいる。
「そんな悪趣味な男に好かれているのは誰だ?」
揶揄するように問う。しかし南雲は肉を咀嚼するので忙しいようで口を開かない。代わりに、皿の上の肉をフォークでずぶりと突き刺した。
それを見て、涼野はくつくつ笑った。
←