プロローグ





例えば、世界が残酷でも…


美しい光景はあるもので。




例え、世界が優しく見えたとして…


無情なまでに冷たくて。




何も変わらない確かなものでさえ、あの日、一瞬にして変わり果てた。




けれど、私はそれに歓喜した。



幾人もの人が、憎しみの炎を内に灯すなか、私は楽しくも、清々しくあった。




この仮初めが壊れたのだから…




全てはここから始まった。



ーー後の世に、「青い夜」と云われるその日に。




けれども私はまだ知らない。

この日はただの「きっかけ」でしかないということに…




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