一途なところ




※学パロ








屋上に男女が二人で向かいあっているといえば、どんなシチュエーションかは大抵予想はつくが、とりあえず、今僕に気付かない二人を包む空気は甘いものではない。






「……ごめんなさい」





自分が言われたわけじゃないのに、彼女の口から出たその言葉に胸が苦しくなった。


そんな気持ち、おくびにも出さないように、いつも僕は振る舞えているのだろうか。まあ、彼女はドンが付くほどの鈍い人だから大丈夫だろうけど。





「また、断ったんだ…」

「サイ、いつからそこに!?」






ドアが閉まり人が出ていったのがわかった。きっと彼女はそこにいるだろうと、顔を出せば驚かれた。






「後から来たのはサクラ達だろう…」

「じゃ、じゃあ、最初から…」

「最初?…ああ、“来てくれたんだね?”っていう彼の言葉からのこと…」

「っ、再現しなくていいから!」

「君みたいなブスでも、好意を抱く人はいるのに…

「…ちょっとサイ、殴られた」

…彼のために断るの?」





彼…と聞いてサクラは俯いた。

彼、もというちはサスケは今、ここ日本にはいない。ナルトにもサクラにも相談することなく海外留学をすると決め、僕が転入する前に行ったと聞いている。


そう、彼については全て、聞いたことしか知らない。彼について僕の知っていることは、ほとんどサクラが教えてくれたことだろう。


だから、サクラの気持ちもわかったつもりになっているのかな。





「違う…」





スゥッと俯いていた顔を上げるサクラ。困ったような、眉をはの字にしながらも、笑っていて…






「これは、私のために断ってるの」

「……」





それは、自分が後悔しないために断ってるということなのだろう。


それが、イコール、サスケくんの帰りを信じて、彼の居場所であろうとする…彼のための行為になっていることには、気付いていないのだろうか…



でも僕は、サクラのそういう


一途なところ


好きな所でもあり、嫌いな所でもあるんだよな。



例えサスケくんが帰ってきたとして…
彼に渡すのは、つくづく勿体無い。いっそ、僕のモノにしてしまおうか…

End
ーーーーーーー

サスケ帰還しましたね。
アニメでノンタンボイスで聞いて、やっと実感しましたね←

…とりあえず、サクラに土下座しようか←

2014.08.24

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