君が大好きな人に譲るよ
※現パロ
※切ない
幼稚園、小学校、中学校と、ずっと同じ。
人はそれを幼馴染という。
いつも隣いるサクラ。
多少邪見に扱ったり、蔑ろにしたところで、離れることはない。
今までがそうなんだ。
だから、これから先もそうだと…
…馬鹿なオレは、そう信じて疑わなかった。
*******
「どうしよう、サスケくん!」
「サクラ、大丈夫だから落ち着け」
「む、無理!!」
いつもは何事にも冷静でいようとするサクラであるが、今の彼女からは、冷静の二文字は、見る影もない。
「来てくれる、かな…?」
不安気なサクラに、手を伸ばしかけて、止める。
「あいつなら必ず来る。それに、サクラなら大丈夫だ」
サクラは今日、あいつを呼び出した。
自分の想いを伝えるために。
さっきからずっと、あいつのコトで頭が一杯のサクラに、少しイラついた。
あいつだって、サクラのことを、一人の女として見ているのは、確かだ。
あいつがサクラを見る目は、オレと同じだからな……。
けど、それをこいつに教えてやれるほど、出来た人間じゃないオレというやつは、あいつを揺さぶったり、サクラを揺さぶったりする。
ほんと、最低だな。
「うん、ありがとう……流石、頼りになる幼馴染ね!」
「っ、」
幼馴染…
これがオレを苦しめる。
もし、幼馴染としてではなくて、もう少し距離のある存在として出会えたなら、こんな結末じゃなかったのか?お前ずっと、オレのそばにいたのか?
そうは言っても、サクラが離れるわけじゃない。
オレが離したんだ。
「私、行ってくる!」
「サクラ、」
「何?」
「……頑張ってこいよ」
「うん!」
自分でかけた言葉に勝手に傷付いて、パタパタと駆けて行く彼女の遠のく背中を、ただぼうっとしながら見つめていた。
君が大好きな人に譲るよ
捕られたんじゃない、譲ったんだ。
わけの分からない言い訳をする以外、なにも出来なかった。
End
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相手は誰かな…
サイ? サソリ? シカマルでもいいぞ!←
2013.11.24
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