彼女の328番・後編(6/7)



「サソリよ!大体、私が誰と何人と『友達』になっても良いでしょ!?悪い事じゃないし、寧ろ、みーんな優しくて、一緒に映画に行こうかって誘ってくれたり、家に来ないかって、遊びに誘ってくれるもん!」

「『もん』じゃないだろ!それ、爆弾発言もいいとこだぞ!?うん!!」

「フラフラとそんな誘いに乗っては駄目ですよ?ぺロッと食べられてしまいますから」

「・・・は?食べ・・?」

「美味しい餌に誘われたら、自分が餌になるって事だ。いい加減自覚しろよ。ウスラトンカチ」

「え、餌って・・・ウスラトンカチって・・・サスケくん、酷いよ〜;;それに、餌になるもなにも、相手はライオンとか鮫じゃないんだから、私なんか食べるわけないよ。サスケくんってば可笑しな事言うんだから!」

(・・・可笑しいのはお前の警戒心の無さだ。俺の事が好きだったら自覚しろ)

(いっそこの後、僕が食べてしまいましょうか?)

(強引な事はしたくないが、オイラが・・・・うん)

(少しでも警戒心を持たせる為だ。今日こそは俺の手で・・・ククッ)

「・・・・・・」



其々の心が透けて見えるのか・・・シカマルは白い眼でサスケ達を一瞥した後、サクラの手の中からそろっと携帯を取り、先程の電話帳を見る。

丁度、ディスプレイにはシカマルの名が有り、名前の隣に表示されている番号を見て頬をひっそり緩めた。

『328』

最初の000でも001でも無く、『328』という番号。

一番よりも特別な番号で、サクラの誕生日である。

多分、サクラ本人は自覚していないと思うが、シカマルは、サクラの特別を携帯のなかでも独占していた。

そうとは知らない、サクラの『001』が気になっているサスケ達に、『ベタな奴等』と心の中で舌を出した。

譲れない番号『も』ある故、自分の手で設定した番号。

しかし、意外と独占欲の強いシカマルに・・・その番号の意味にサクラが気づくのは、遠い未来かもしれない。


end?

[ 13/29 ]

[*prev] [next#]
[ mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -