彼女の328番・後編(4/7)
「ぇえ!?ホント!?」
「クク、嘘は言わねぇよ。・・・あー・・・メールアドレスを教えてくれたら、もう二つ三つ追加しても構わないがな」
さりげなくを装って今回の本題をサソリが言えば、サクラはまた首を傾げた。
「あれ?シカマルに訊かなかった?」
「ああ?」
「・・・・・」
「??、だって昨日の夕方、シカマルが皆に伝えとくって・・・?」
「「「「・・・・・・・・」」」」
そんな事、今聞きました・・・と言わんばかりに黙りこみ、次の瞬間、サスケ達はギッとシカマルを睨みつけた。
だが、シカマルはわざとらしく溜め息を吐き、サスケ達を無視して、「メンドクサイから途中で止めた」とサクラに告げた。
本音を言えば、一分でも一秒でも独占したかったという気持ちが9割だが。
しかし、サスケ達にとっては「メンドクサイから途中で止めた」という言葉では片付かない程、内心は怒りに満ちている。
「て、テメェ!ふざけ・・「もう!それなら、初めから『俺が』って言わないでよ!相変わらずシカマルはめんどくさがり屋なんだから!」
「・・・悪かったって」
本当は悪いなどと微塵も思っていないが、目の前で頬を膨らまして怒るサクラに素直に謝るシカマル。
独占時間は短かったものの、今回は良しとするか・・・という意味が含まれている謝罪。
早速自分の膝上で携帯を取り出し、サスケ達にアドレスを教えているサクラに、やはり未練があるのかシカマルは少々残念そうにする。
それとは反対に、アドレスを無事に入手したサスケ達は、ざまぁみろといわんばかりに目を細めた。
「・・・・・・」
そして、『今回は良しとするか』という言葉を直ぐに撤回したシカマルであったが、見せ付ける様に、膝上で再びカップケーキを食べ始めたサクラの腰を抱く。
サスケ、サイ、サソリ、デイダラ対シカマルの火花が散るなか、サンドイッチ状態になっているサクラは平然と次の食べ物に意識を向けた。
この火花が止んだは、サクラが「ご飯食べないの?」と聞いた瞬間である。
「なぁ、サクラ。電話帳・・・見してくれないか?」
「でんわちょー?・・・なんで?」
ちゃっかりとサスケのお握りを半分貰って食べ終わったサクラは、指についた米粒をぺロッと舌で掬いながら疑問符を浮かべる。
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