彼女の328番・後編(3/7)
そうとは知らず、サクラは貰ったカップケーキのアルミを嬉々と取り、パクッと一口食べる。
「ん〜、美味しい〜♪今日、お弁当もお財布も忘れちゃったから、お昼はどうしようって思ったけど、皆の好意と優しさに感謝しなきゃ♪」
(おいコラ!そうじゃねぇだろ!うん!)
(『好意と優しさ』で片付けやがったな、コイツ)
(サクラの警報鐘は、相変わらず壊れっぱなしですね。
誘拐されても文句言えませんよ?僕に)
(昔ッから警戒心持てって言ってんだろーが!頭良いくせに、どうして分からん!?)
(・・・マジで厄介だぞ。この無防備ぶりは。いや、天然も入ってるか?)
余りに呆れているのか溜め息すら出てこず、カップケーキを食べているサクラをただ見詰めるサスケ達。
複数の視線に気づいたサクラはカップケーキから視線を外し、何を勘違いしたのか、キョトッとしながら「食べたかった?」っとカップケーキを差し出す。
「馬鹿か?誰がそんな物・・・」
一番最初にそう言い掛けたサスケは、中途半端に言葉を切る。
それにも誰も突っ込まなかったのは、それがサクラの『食べ掛け』だからである。
「チッ・・・・し、仕方ねぇから喰ってやる///」
「え?サスケくん、甘いのは・・「嫌だなぁ〜。仕方ないで済ますなら食べ・・喰わないでくださいよ。サスケくん♪
サクラ、僕は今、甘い物が(寧ろ、サクラごと)食べたい気分なんです♪」
「へぇ?、サイにもそんな気分があるんだ?」
「ええ。本を読んでる時とかもとくに・・・。
嗚呼、どうせなら今度の土日、僕の家にお泊りしませんか?
珍しい本とお茶菓子付き・・・二泊三日の特別サービスも付いてますよ?」
「!、行く行・・「ゴルァアア!!何、デートよりも美味しい約束してんだ!?カップケーキから話飛び過ぎだろ!?うん!!
しかも、テメェの特別サービスは下心爆発行為だろ!?
サクラ、お泊りならオイラの家にしな!最高のもてなししてやるぜ!うん!」
「デイダラさんの?・・・ん〜、でも、サイのも気になるし・・」
「おい、小娘。さっきの話し聞いてたか?コイツ『ら』は下心で誘ってんだ。どうせなら俺のところに来い。
お前が食べたがっていた甘栗甘堂限定『シロップがけ桃餡パイ』と『苺練乳大福』買ってやるぜ?」
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