彼女の328番・後編(2/7)
その事を知らないサスケ達は当然『何故だ!?』と心の内で怒鳴り、一番の厄介者(シカマル)を、羨ましさタップリの視線を向ける事も珍しくはない。
現在もそうであり・・・半分目が据わっている四人に、サクラは少しビクつきながらも、シカマルの耳元に顔を寄せる。
顔を寄せた時、特徴的な桃色の髪がシカマルの頬を撫でる。
「・・・・・」
「サスケくん達、一体どうしちゃったの?すっごく恐いんだけど;;」
「ん・・・嗚呼?さぁな・・・んで?その荷物は何だ?昼飯にしちゃあ量多くねぇか?」
「え?・・・あ!そうだった!」
「あ?」
「えへへvV実は此処に行く途中に、色んな人からお菓子貰ったんだぁvV」
ニコニコと満面の笑顔でお菓子を取り出すサクラに、その『色んな人』に嫉妬するも、シカマルは「良かったな」と頭を撫でた。
恋心もあるが、兄心か親心にも似た感情も含ませながら。
「サスケくん達も其処で固まってないで一緒に食べよ!」
笑みを絶やさず振り向きながらサクラが誘えば、メールの件を一旦片隅に置いて、サスケ達は表情を綻ばす。
これ以上、シカマルだけに良い思いをさせまいと急いで駆け寄り、右隣にサソリ、左隣にサスケ、斜め前にはデイダラとサイが座った。
必然的に囲まれる形になるがこれも何時もの事なのか、少々嫌そうな顔をするも、シカマルはやれやれ・・・と肩を竦める。
サクラは身体の向きを変え、持っているお菓子を一人一人に配る。
それでも、手提げ袋はパンパン状態である。
「・・・すっげぇ、量だな・・・うん」
「どれだけの人に貢いでもら・・・いえ、誰に貰ったんですか?」
「誰って。ん〜・・・先生とクラスメートと遊びに来てた先輩でしょ?あっ、その前に、学校に行く途中で、サラリーマンの人が道尋ねて来たから駅まで一緒に行ってあげたらお礼にって・・・」
「・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
もはや、何処をどう突っ込めば良いのか分からなくなってしまった男性陣。
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