涙は女の子の必殺技






※現パロ








『悪い。急用が入っちまったから、今日のデートは今度にまわしてくれ。』




バッチリメイクも可愛く決めて、よし行こう!って意気込んでいた時に届いた最愛の人からの連絡は、あたしをドン底に叩き落とした。





*******




あのメール以来、あたしはグレイと会えていない。


どうやら会社で何かのプロジェクトリーダーに大抜擢されたらしい。それも、あたしとデートする日にサプライズと称して…



グレイが信頼されてるのは嬉しいけど、そんなサプライズいらないわよ!と声高々に言いたい。



けれど、そんなのも今日まで!


そのプロジェクトはひと段落付いたらしく、今日は仕事終わりにあたしの家に来てくれるという。

キッチンで夕飯を作っていながらも、にやけてしまう顔を戻すことが出来ない。早く来ないかな、グレイ…




そんな願いが届いたかのように、ガチャッと鍵が開けられた音がした。この部屋の鍵はグレイに渡してあるのだ。



急いで火を止め、手を洗う。早くお出迎えしたい!

タオルで手を拭き終わった瞬間、大きな温もりに、体を包まれた。





「え…?」

「ルーシィ…」





覇気のない声で名前を呼ばれた。





「…グレイ、あたしいつもみたいにお出迎えしたかったのに…」

「悪い。兎に角ルーシィに会いたくて仕方がなかったんだよ」





そう言うと、ルーシィの頬にキスを落とすグレイ。





「っ、取り合えず、リビングに行きましょ!」

「何だよ、照れてんのか?可愛いヤツ…」

「バカ!」





やはり疲れきっているのか、ソファーに座るなりため息をこぼすグレイ。

あたしは怒りながらもやはりにやけてしまうようで…少しでもリラックスして欲しくて紅茶を淹れると、グレイに一つ渡して、いそいそとグレイの横に座った。


紅茶を飲みながら穏やかで静かな空間を楽しむ。もっとこうしていても良かったけれど、あたしは本題に入るべく、テーブルに紅茶を置いて、グレイを見た。


あたしの動きに気付いたグレイが、あたしと同じように紅茶を置いて話を聞く体制に入ってくれる。そんな些細なことでさえ、あたしの心臓がキュンキュン鳴る。





「仕事がひと段落付いたってことは、デートも出来るってこと?」

「まぁ、そうだな」

「なら早速、延期したデート、明日しよう!」

「明日?…ったりぃ」

「なっ!?」





たりぃって…怠いってそんな!

確かに、疲れてるかもだけど、いい気分転換になると思うし、それに今日しっかり睡眠を取れば、明日一日中…は、無理でも、楽しくデート出来るはずじゃない!


って言っても、なら今度でいいだろ?って言われるのは目に見えてるから…あたしの、否!女の子の特権…





「…あたしだって、ずっとグレイと会いたくて仕方がなかったんだよ?グレイと、やっとデート出来るって、楽しみに…して、たのに…」





必殺技☆泣き落とし!

ここでグレイの裾を掴んで、軽く引っ張る。





「っ、…わかったよ、姫さん」





あたしの頭をそっと撫でてそう言うと、ぎゅっと抱き締められた。

泣くなんてずるいかなと思いつつ、嬉しいからいいや!って思ったあたしがいけなかった。


お礼を言って離れようとするもグレイの腕から抜け出せない。





「っ、グレイ…?」





軽く肩を押すもビクともしない…むしろもっとくっついて、首筋に顔を埋めてきた。くすぐったい…それに…





「ちょっと、苦しいから離し…ひゃっ!?」





抗議の声は、首筋を舐められたせいで止まる。同時に動きも止まり、その隙を狙ったかのように、グレイに唇を奪われた。



涙は女の子の必殺技
まさかのカウンターをもらいました

(…っ、なに、して…!)
(明日に備えての充電だ
。誘ったのはルーシィだろ?)←超キメ顔

End
ーーーーーーー

私の書くグレイは狼になりやすい←

翌日お出掛け出来たかどうか…神のみぞ知るw

あれ、ありがちネタだw

2014.09.06

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