種明かし禁止
※大学生パロ
※先輩×後輩
上京してきて初めての一人暮らし。
ずっと憧れていた大学生生活は想像以上にハードだった。
ていうのも、あまり考えずに時間割を組み込んだのと、レポート課題の締め切りが何科目も被ったことが要因なのよね…
そのためか、あたしは大学付近の土地勘はほぼゼロ。
だから…
「ちょっとコーヒーでも飲んでくる。ルーシィもどうだ?」
「お願いします!」
「なら行くか」
だからこの日あたしは、グレイ先輩のお誘いを速攻でオッケーしたわけで……。
***
「さて、ここはどこだろうな?気分で角を曲がったら知らねー場所に出ちまった…」
「先輩、わざとですね?」
迷ったという割には、どこかヘラヘラしているグレイ先輩を軽く睨みつける。
「まさか。偶々だよ、偶々!ちょっとこの辺りは知らなかったんだよ」
「…先輩、附属からエスカレーターだからこの辺は庭も同然って言ってましたよね?」
あたしがそう言えば、目を見開いて固まったグレイ先輩。
けど次の瞬間には、フッと笑い、悪びれた様子もなく言ってのけた。
「……さすがにわざとらしすぎたか?」
これほどまで態度が変わるのかと驚きつつも、平静を保つ。
あたしも地元でも知らないところはないとは言い切れないから、もしかしたら先輩ですら知らないところがあるのかもとおもっていたのも確かだ。
「いえ、そんなことは…あたしがグレイ先輩の言ってたのを覚えてただけで…」
「ルーシィの記憶力は怖ぇな。けどま、とにかく2人きりだ。これからどこへ行きたい?」
「先輩、それって…」
上京してすぐに、春の予感?
って、自意識過剰にもほどがあるわね…
それにもしもよ、もしも!
本当に春の予感だとして、先輩ならオブラートに包んだり、もっとロマンチックな演出を…
「ん?そりゃ、ルーシィをサクッとオレのもんにしようかと…」
「……は?」
「絶対口説き落としてやっから、覚悟しとけよ?」
「…………先輩」
種明かし禁止
((絶対に落ちてなんかやんないんだから!))
End
ーーーーーーー
それは儚く脆い決意(笑)
遊び人グレイ先輩が本気の恋に目覚める…的な?
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