丁重にお断りします
ソファに深々と座りながら、テレビ鑑賞。夕食を終え、コーヒーを飲みながら見ている内容は、巷で人気の芸人が、魔法無しで無人島で生活をするというものであり、なかなかな高視聴率を叩き出しているらしい。
「ねぇ、グレイ。もし無人島になにか1つだけ持って行けるなら、何持ってく?」
無人島で生活というのも、小説のネタになりそうだ、という考えと、単純に知りたいという興味から、隣でテレビを見るグレイに聞いてみる。
「ん〜…やっぱ、ルーシィ…だな」
「あたし?…な、なんで?」
少し思案した後にグレイは視線はそのままに答えた。自分という答えにルーシィは、頬を紅潮させ、グレイをじっと見つめるも、あくまでも自然を装うように理由を尋ねる。
「ああ。そうすりゃ、暇することなんか、ねぇだろうし…」
が、期待していたものとは違う理由に、後頭部をなにかに打たれたような錯覚に陥る。
途端に、ルーシィは頬をぷくぅっと膨らます。
「何ソレ。あたしは程のいいオモチャってワケ?」
「何拗ねてんだよ?」
「別に拗ねてないわよ」
もっと理由があるでしょ!?『ルーシィ一人残すわけねぇだろ』、とか!!
などと心で憤慨しているルーシィに、わけがわからないといった表情を向けていたグレイだったが、若干ルーシィが涙目になっていることに気付いた。
ああ、なるほど…と何かに勘付いたグレイは、ニヤリと口角を上げた。
「……無人島にルーシィと二人きり…っつたら、するコトなんて、決まってんだろ?」
「……え?」
自分とルーシィが持っていたコーヒーカップを机に置くと、少しづつ距離を縮めるグレイに、思わずビクつくルーシィ。
只でさえソファという限られたスペースに押し込むかのように座っていたのだ。
いとも簡単に、素肌同士が密着するわけで…
(もちろん、ルーシィは超薄着だし、グレイに至っては例の如く上着はない)
「オレが無人島でルーシィと何するか……今から実践してもいいぜ?」
「あー、えっと……うん、」
丁重にお断りします
(遠慮すんなよ)
(いや、いい!)
(え、シテいいって?)
(っ、ちっがぁぁぁう!!)
End
ーーーーーーー
誰もが一度は話の種にする無人島ネタ。
押せ押せなグレイ(笑)
2013.08.28
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