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[第八話*見つけました。]





金色モヒカンさんとのデュエルを終えて、迷いなく踏み出したのはよかったのだけれども…


奥へと進むと、所狭しと積み上げられたコンテナが邪魔して通れない状態になっていた。




『もう…何これ』




どこか隙間からでも通れないものだろうか。

しかし、それらしい隙間などなくて。



よじ登るなんて、到底無理だし…んん?



手をかけたコンテナに、少しの違和感。

これ、もしかしたら動く?

…どうやら、軽いコンテナなら押して動きそうだ。





***





少しづつ、慎重にコンテナを押しのけ、通路を自ら作りだし、何とか突破することに成功した。


通路の先は、沢山のコンテナが積まれた倉庫。




『もうモヒカンさんは勘弁ですよー…』



恐々周りを警戒しつつ進む。


その中央奥に倒れた人影…



『っ!ブリッツ!!』

「…うぅ、」




急いで駆け寄り、ゆっくり起き上がるブリッツを支える。


痛みで意識が朦朧としているのか、少しぼうっとしていたブリッツだが、目が合うと、段々顔色が戻ってきた。




「なまえ!助けにきてくれたのか?」

『うん、無事で良かった』

「ごめんな、D・ホイールだって、俺のせいなのに迷惑かけて…」

『そんな事ない…』




ふるふると顔を横に降る。

謝らなければいけないのは、むしろ私の方だというのに…。



『ねぇブリッツ、先に戻ってて』

「え?でも」

『もしかしたら、エンジンとかCPUが隠されてるかもしれないし、少しだけ見てくるだけだよ』



納得出来るような出来ないような…何とも言えない表情を浮かべるブリッツに思わず苦笑してしまう。

下手したらバレてしまいそうだ。




『それにみんな心配してる』

「え、みんな、って…」

『ここに来る前に、タカには話したから…多分みんなに話してるかもしれない。早く無事な姿を見せて、怪我の手当てをした方がいいと思うの』

「そう、だな…なまえの言う通りみんな心配してるだろうから、先に戻る事にするよ」



立ち上がり、出口の方へ歩き出したブリッツだったが、一度止まった。

不思議に思って首を傾げていると、ブリッツは振り向き様に一言…



「なまえ、本当にありがとう」




そう言って再び歩み始めた。立ち去るブリッツの背中を見送る。


本当は寄り添ってあげるべきかもしれない。


でも、もしかしたら、本当にエンジンとCPUが抜き取られて、外装だけを渡されたのかもしれない。


中身だけまた、別のところで高値で売り付ける可能性がある。


そして一番の目的は、殿(しんがり)になること。


先にデュエルで倒したメンバーとブリッツが鉢合わせしたとしても、私に負けたという事実から、ブリッツに手は出さないはず。けれども、まだデュエルをしていない人は別。

この部屋に誰もいなければ、ここを拠点にしているメンバー全員を倒したことになるが…実際、ここにどれ程の人数がいるのか把握していないので、判断しかねるのだ。


何もなければそれでも構わない。用心するに越したことは無いはず。


そう思い、部屋を歩いて周ってみたが、誰かがいるわけでも、エンジンなどが隠されているわけでもなかった。収穫といえばカードが一枚、《ボルト・ヘッジホッグ》を入手したことくらいだった。





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