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「俺は破壊される前に罠発動!《和睦の使者》」
『えっ』
「これで俺はこのターン、無傷だね」
そう。ラリーの言うとおり、このターン、モンスターによる攻撃は無意味と化す。
仕方無しにターンエンドをする。
「俺のターン、ドロー!…うわ、引が悪いかも…ターンエンド」
今度はラリーが仕方無しにターンエンドをする番だった。
『(上手くいけば、ダメージを与えられるかも…)私のターン、ドロー…私は《カップオブ
エース》を発動』
何の迷いもなく、キャメルのサファリワンピースのポケットに手を入れる。
…そういえば、この服のチョイスも、記憶を無くす前の趣味だったのだろうか…。
そんなことを考えながらポケットから取り出したのは、一枚のコイン。
ラリーに表と裏を見せ、右手の親指で弾く。
クルクルと空中でまわり、左手の甲に見事着地。被せていた右手を退けると、現れたコインは…
「表向き、ってことは…」
『はい、私はカードを二枚ドローします』
ドローにより手札にきた《ワーム・バルサス》を召喚すると、その効果でラリーのモンスターを表側攻撃表示へと強制的に変更させた。
現れたのは、《超時空戦闘機ビック・バイパー》。
《ワーム・バルサス》
[攻1400/守1500]
《超時空戦闘機ビック・バイパー》
[攻1200/守 800]
『バトル!《ワーム・バルサス》で《ビック・バイパー》を攻撃します』
「っあ、《ビック・バイパー》が!」
『《グランマーグ》でダイレクトアタック!』
「うわっ!?」
合計2600という、中々に大きなダメージを与え、カードを一枚セットしたところで、ラリーのターンへ移行した。
「やるね!…俺はモンスターを伏せて、ターンエンド」
『私のターン…チューナーモンスター、《クレボンス》召喚』
《クレボンス》
[攻1200/守 400]
「チューナー!」
『私は、レベル3《ワーム・バルサス》に、レベル2《クレボンス》をチューニング!シンクロ召喚!
現れろ《マジカル・アンドロイド》!
…いくよ、ラリー。バトル!』
《マジカル・アンドロイド》
[攻2400/守1700]
《グランマーグ》の攻撃により、ラリーの裏守備モンスター、《強化支援メカ・ヘビーウェポン》を撃破。
《マジカル・アンドロイド》のダイレクトアタックが決まり、最初8000もあったライフは3000へと削られる。二人のライフに大きな差が生まれた。
エンドフェイズ時に《マジカル・アンドロイド》の効果…自分フィールドにいるサイキック族モンスター一体につき、600回復…により、その差は更に広がる。
「(ライフが半分の4000をきっちゃった…早く立て直さないと!)俺は魔法カード《ダーク・バースト》発動!」
『ごめんね、ラリー』
「え…あぁ!」
チェーン、《マジック・ジャマー》だ。
デュエル序盤、一度《魔法除去》の効果で見たカードがここで発動されたのだ。
「すっかり忘れてた…俺はモンスターを一体裏守備表示で召喚して、ターンエンド」
『(この攻撃が通れば…!)私は《サイコ・コマンダー》を召喚、バトル!《サイコ・コマンダー》で裏守備モンスターに攻撃』
《サイコ・コマンダー》
[攻1400/守 800]
《サイコ・コマンダー》の攻撃力は、裏守備モンスター《ジェネクス・コントローラー》の守備力を上回り、撃破に成功した。
『《グランマーグ》と《マジカル・アンドロイド》で、ダイレクトアタック!』
「うわぁあ!」
攻撃力2400のモンスター二体からの強襲により、ラリーのライフポイントはゼロとなった。
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