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「恨みを持ったヤツみたいだな、あの声…」
ブレイブ、多分それ、間違っちゃいないと思うわ…
ルーシィの脳裏に浮かんだ一人の女…怒り狂ったように(実際問題、そうだと思われるが)瓶を振り回す…その瓶から出てくる水の勢いといったら…
………。
『今度鍵落としたら、ただじゃおかねぇぞ!』
…みたいなこと、前に言われなかったかしら…
鍵落とした
→アクエリアス出現
→怒り狂う
→怒りの元凶……
「……どう考えたって、あたしじゃない」
「…ルーシィ?」
怪訝な目で見てくるブレイブに、冷や汗をかくルーシィ。
一体どうしたらいいのよっ!このままじゃ…
──ゴゴゴゴゴォ……
「何だよ、この音と揺れは…?!」
「多分、下から…」
「下?……あ、おいっ!」
甲板の中央へ駆け出したルーシィと、それに続くブレイブ。
「みんなっ
何処かにしがみついてぇぇぇっ!!!!」
ルーシィが声の限りに叫び…
「え!?」
「何!?」
瞬間的に(本能的に?)船員各々が、船の何処かしらにしがみついたのと同時に……
──ドッパァァァァンッ!!!!!
船は海より突き出た水柱により、海より淡い、空という名の蒼い世界を航海した。
カモメや漣の調べとは、一味も二味も違った、『乗組員全員』の『絶叫』というアリアと共に……
[第三章へ続く]
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2014.09.05加筆修正
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