恋愛講習(2/2)




そして現在──














「甘えるなんて、サクラらしくないですね」

「だって……」

「このままやめて……貴女はこれで本当に満足なんですか?」



微笑みながらそう言えば、サクラはみるみるうちに頬を赤く染め上げる。


そりゃあ、悔しいからですよね?



「そんなことはないけど……」

「だったら……」




伸ばそうとした僕の手は、とんだイレギュラーに邪魔された…。



「きゃあっ……!!」




沸いて来たサスケ先生は突然サクラを抱きしめた。



「サ、サスケ先生…!?」

「何してるんですか?サクラが嫌がってるじゃないですか。さっさと消えて下さい」

「それはこっちのセリフだ!!!」



別に僕を睨みつけるのは勝手だけど…

サクラに触れるサスケの手──苛立ちが隠せそうにない



「お前こそ、サクラに何してんだ!?」

「何って……勉強を教えていましたけど?」



数枚のプリントをサスケに突き付ける。



「……は?」








いやいやいやいや、あんな声、勉強中に……



「…さっき、困った(もとい、エロい)声、出してなかったか?」

「だって、予想以上のプリントをサイ先生が出してきたんですよ!!」



いくらなんでも、少し多いです!!とサクラが抗議するプリント量は、普通の生徒だったら失神ものだろう。

それを『少し多い』というサクラ。

これだけ優秀なのに、男の下心に対しては、てんで鈍い。



「……サスケ先生…不埒なことでも考えてたんですか?」

「っ…」



したり顔のサイに言葉がつまるサスケ

そんな両者に挟まれ、二人の顔を交互に見るサクラ



「……って、数学だと?」



先程見せられたプリント

それは、自分が担当している教科だった。



「何でお前が……」

「そんなこともわからないんですか?あなたの場合、今度の試験と同じ問題を出しかねませんからね……」



だからですよ。といいながら、サスケの腕の中からサクラを引きはがすサイ


そんなことするわけないだろ!!



……多分



断言できない自分は教師失格。
だがそれは……



「サクラ相手だ。仕方ないだろ」

「…たしかに」



「ちょっと、何言い出してるんですかっ!?」

「「サクラ(さん)…」」

「はい?」

「お前、いつから反抗期になったんだ?」



そういいながら、サクラの左肩を掴むサスケ



「えっと…サスケ先生…?」

「本当ですよ…」

「え、サイ先生…」



サクラの右肩を掴んだのは、笑顔が眩しいサイ先生



「僕達に逆らえると思ったんですか?」



話が変な方向にシフトしていると思いつつ、必死で抵抗をするサクラだったが……



「「『講習』を始めるぞ(ましょうか)」」



黒い微笑をする教師二人の『講習』から逃れられなかったという……。




End


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