「マジかよ、タピオカあるんですけどwww」
「ジョッキでタピオカwww」
「草www」
「人数分お願いしまーす」
「いや、どんだけよwww」
 サークルの飲み会で入った居酒屋のメニューに、遂にタピオカを見つけてしまった。これやばい、と言いながらツイッターに上げる。
 時代だなあ。

「はい、じゃあ復唱して」
「う、あ、これ、外せよ」
「俺はそんな事言ってないよ?」
「ヒギッ」
 何がどうしてこうなったのか、酒に酔った馬鹿たちはジョッキを倒し、タピオカを残し、ゲロを吐いて大声で叫ぶ。
 あいにく酒に酔わなかったオレは店員に、トイレに引きずり込まれ後ろ手に縛られてズボンをずらしてちんこを握られた。柴犬みたいでちょっと可愛いなあ、と思っていた店員だからってホイホイついて行くもんじゃない。
 なんでオレがこんな目に。
「食べ物残してごめんなさい」
「う……ぐ、食べ物、残してごめんなさい」
 オレは結構食べた方だけど、他の馬鹿たちが頼むだけ頼んで殆ど手付かずにしただけなのに。という恨み言を吐いたら再び激痛に襲われそうなのでおとなしく従う。
「飲み物残してごめんなさい」
「飲み物……残して、ごめんなさい……」
「床汚してごめんなさい」
「床汚して、ごめんなさい」
 全部オレのやった事じゃない。理不尽さに怒りが湧いてきた。この恨みはあの馬鹿たちに絶対ぶつける。絶対だ。
「なんでもします」
「なんでも……え?」
「言えよ」
「うぐっ……う、なんでもします……」
 オレの弱味(物理)をへし折られそうに握られて泣く泣く口にした。
「うん、じゃあちんこでタピオカ飲もうか」
「は……はあ?」
 何言ってんだこいつ。聞き間違いか?と店員を見たって、にやりと笑って例のセリフを言うだけだ。
「今なんでもって言ったよな?」
 言わされただけだ、馬鹿。

「あっ……くっ、う、ううっ」
「どんどん入るね。どんな気分?」
「気持ち悪い、出したい……」
 タピオカジョッキを持ってきて、わざわざストローで吸い上げてオレのちんこの先端にあてがい、プッと吹き矢みたいに押し込める。それを何回繰り返したことか。
 ちんこの先からはみ出したタピオカを指の腹でグリグリ押し込まれ、ちんこの中をずりずり擦られる感覚と、亀頭を擦られる感覚で頭がおかしくなりそうだった。
 下腹に力を入れて出してしまおうかとも思ったけれど、店員の指がぴったりあてがわれて無理やり押し出すことも出来そうにない。
「あっそ」
 自分で聞いたくせに興味なさそうに返され、オレの心は多少傷付いた。けれど追加のタピオカが押し込められてそれどころじゃない。
「んんっあ、っなんか、なんかっ」
 ぎゅるっとタピオカがどこかに辿り着いて、オレは思わず仰け反る。
 触れてはいけないところに触れたような、全身を電気が走る衝撃に目を見開く。
「ああ、気持ちいいとこ当たった?」
「んああっ、や、やめろ、」
 また一個タピオカが足されて、頭が一瞬真っ白に霞む。前後不覚の感覚に涙が込み上げた。
「やだ? しょうがない、じゃこっちだ」
「うあっ、なにっ、やめろっ、やだった」
 店員が次にタピオカを押し込んだのはオレのケツの穴だった。食べ物を粗末にするんじゃない。
 抗議しても、店員はつぷつぷとタピオカを入れていく。
「ああ……も、やだ、やめて……」
「いやさあ、こっからが本番でしょ。どう考えたって」
 当然、みたいな顔で店員は下着からちんこを出してオレのケツ穴にあてがった。
 なんの厄日だ。
 やめて、存外か細い声で悲鳴をあげる。咄嗟の時にでかい声なんてそうそう出ないと知った。

「うっ、あっ、あー、あーーっあー」
「はあっ、もちもち、気持ちいいじゃん、結構」
 ズブズブ押し上げられてタピオカが内壁に擦り付けられる。オレはひたすらに苦しくて、気持ちいいとかいう話ではなかった。
「おら、中から押してやっから、タピオカ出せよ」
「ううっあ、でるっ出ちゃう」
 ちんちんからタピオカ出ちゃう。
 ポロポロ溢れ出すそれは、案外気持ち良かった。

終わり

戻る

戻る