「う……あ……見るな……見ないで……」
 声も体も震わせて、後ろの穴から水を滴り落とす。太ももを伝うのがさらに色っぽくて舐めたい衝動に駆られる。
 生まれた時から幼馴染の太陽(あさひ)は超絶ハイスペックのイケメンで、それが気にくわなかった不良の湯山(ゆやま)は容赦なく、太陽を掴んで殴って引き摺り下ろし、ホースで水を注ぎ込む。
「はは……あいつ、勃起してやがる」
 湯山が嘲笑った。
 俺は鼻息荒く見つめるしかない。後ろ手に縛られ、口に貼られたガムテープで声も出せなかった。
 そんな状態なのに湯山が言う通り、俺は勃起していた。だって、好きだったんだ、ずっと。
 生まれた時から、今この瞬間まで。

「うあ……ああ……」
 びゅうびゅう、ビュシャッ。
 決壊した太陽の穴は水を細切れに吹き出す。健気な抵抗がどうしようもなく可愛くてそそる。
「全部出たか? なあ」
「うっぐ……知らな……」
 グリッと湯山の指が太陽の中に突き立てられ、乱暴に掻き乱した。そのせいで溢れた水が足元に落ちる。
「もう十分か」
 湯山は適当なところで指を引き抜くと、かちゃかちゃとベルトを外した。
 惜しげも無く出された湯山のソレは既に熱り勃っていて、数回擦り上げると太陽の穴に押し付ける。
「や、めろ、あ、」
 ずぶずぶと、太陽の穴を侵していく。
 湯山は太陽の後ろに立ち、太陽の左足を掴んで上げさせた。きつい体勢と容赦ない挿入に、身体を支える右足は震えている。
「あっ……あっ……ぐ……」
「はっ、すげー締まる」
 ずぶずぶと抜き差しする結合部がまざまざと見せつけられた。
「なー、やっと補習終わったんだけど。つって、なんだ、まだやってんの」
 3階奥のトイレという辺鄙な場所に現れたのは救世主でもなんでもなく、湯山の仲間の遠月(とおつき)だった。
 遠月は俺の横にしゃがむと、俺の股間を掴む。
「なに、勃起してんじゃん。お前らみんなホモかよ」
「んんっん、」
 布越しとは言え、ごりごり扱かれて気持ちよくなった俺は精一杯の抵抗で身をよじったが、そんなので逃げられるわけでもない。
「おい、遠月、そいつ脱がせろ」
「ええ……俺は男犯す趣味ないんだけど」
 遠月はノーマルらしい。嫌そうに言う割にはテキパキと俺のズボンと下着を脱がせる手は早い。
「三軒(さんのき)、お前もあいつをぶち犯すんだよ」
 三軒とは太陽の苗字だ。あいつとは、つまり俺のことらしい。
「あー、そういう? 悪趣味だな、ほんと」
 後ろ手に縛られた俺の身体はごろんと四つ這いの崩れた形にされ、遠月の膝に顔を載せられる。そうして、ケツを左右に割り開かれた。
「こんなの、なん、なんのっ意味が……」
 後ろで太陽が抵抗しているらしい。それでもケツの前に気配がして、そこに太陽たちがいるのがなんとなくわかる。
「お前だけ犯されるなんて可哀想だろ? 大事なオトモダチ、道連れにしてやれよ」
「は、あっ、はな、せ……」
 太陽の声は弱々しい。
 ケツにあてがわれた物は熱く、ぬるりと先走りらしいものが穴を舐める。
「口ではなんて言おうと、犯す気満々じゃん」
 遠月が笑った。
 後ろの穴を熱がゆっくり侵していく。
 息を吐いて身体の力を抜く。痛い思いをするくらいなら、太陽のちんこぐらい喜んで受け入れられた。
「んっぐ……」
「はあっ、熱い……宇宙(そら)の中、熱い……」
 太陽の先走りだけを潤滑油に挿入されたそれは内壁をずりずりと引きずり上げ、無理に引っ張られる苦しさと圧迫感があった。
 それでも裂けてはいないらしい。ずんずんと押し込まれる感覚は次第に頭が真っ白くなって気持ち良くなってきた気がした。
 結局のところ、酸欠で意識が朦朧としていただけなのだけど。
「トモダチ犯して気持ち良くなってんのかよ、ほんと、救いがねえ」
「うあっ、あっ、あっ……くっ、ふっ……」
 湯山がピストンを早めるから太陽の動きも早まった。覆いかぶさって耳元で吐く熱い息と、腹の中で硬くなった熱は、こみ上げる吐き気も凌駕して愛しい気持ちにさせる。
 顔が見たい。どんな顔して俺を犯してるの。泣きそうな顔?嬉しそうな顔?怒りや哀しみで、苦しそうにしているのか。想像だけでも堪らなくて、穴がキュンと締まると、太陽はぶるぶる震えて中で果てた。
 内壁を白く塗り潰す吐精に俺の体も震える。
「イったのか? おら、俺がイくまで続けんだよ」
「んんっあ、あーっ、あっあっ、そこっやだったあああ」
 イったばかりの太陽を、湯山は容赦なく責め立てた。太陽はぎゅーっと最奥に押し付けてきて喘いでいる。前立腺を突かれているのか、その度に震えてイきかけていた。
「さすがに俺もちんちん勃ってきた。口だけなら男も女も変わらないよな?」
 ずるっ、眼前に出された遠月のそれは太く熱く、緩やかに勃起している。
 突然現れた凶器じみたそれに驚いて顔を背けると、遠月は俺の顔を掴んで性器を擦り付けてきた。
「んっく……くふっ、うっ、うっ」
「口塞いじゃってるからな……」
 鼻の穴を塞ぐように性器の先端が突き立てられる。ぐちゅぐちゅと先走り濡れになって、鼻呼吸だけ許されていた俺は吸い込んでしまい、苦しさと気持ち悪さで咽せた。
「良い子だから噛むなよ」
 ぺりぺりとガムテープが剥がされ、唇を撫でた。思いっきり噛み付いてやろうか、と逡巡した時に、後ろから甲高い嬌声がした。
 びちゃっ、中に吐精して再び太陽がイった事を知る。けれどそれは止まらなくて、びしゃびしゃと液体が満たしていく。
「やだっあ、ちんち、止まんないっばかになって、やあっあああ」
 湯山の分厚い手が俺の肩を掴んで、サンドイッチで深く突き上げる。俺の最奥で太陽が潮を吹いた。細かく震えるのが気持ち良くて頭が白む。
「おあっ……」
「アヘ顔のとこ悪いけど俺も気持ちよくさせて?」
 遠月の性器が喉の奥まで挿入された。ずぽずぽと好きなようにされて、息は出来ないどころかなにが起こっているのかもわからなくなった。
 遠月も太陽も勝手で、自分の気持ち良いようにしている。いいなあ、俺だって気持ち良くなりたいよ。萎えて揺れてる俺のちんこ、誰か擦って気持ち良くしてよ。
「はあっ、イく、全部飲んで……」
 喉ちんこ押しつぶして強制的に食道に流し込んでるくせに何が飲んで、だ。
 胃に注がれた精液は、遠月が性器を引き抜くとほぼ同時にリバースした。
 嘔吐する俺の身体が勝手に締め付けたんだろう。太陽がまた中でイってから、くてんと寄りかかってくる。
 間も無くしてしょろしょろと体内に別の液体が撒き散らされた。
 湯山が爆笑していて、遠月は満足げに後片付けをしていた。
 巻き込まれただけの俺が一番惨めだと気付き、泣きたくなった。

終わり

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