朝目覚めたらオレの身体が目の前にあった。意識はあるが手足は動かないし、なにこれ夢?幽体離脱?金縛り?
 なんて思っていると意識体のオレにも身体があることに気付く。動けないのはどうやら、座った状態で後ろ手に縛られ足はM字開脚に拘束されてているからだ。
 さらに言えば今のこの身体に覚えがあった。よく割れた腹筋に太ももの内側にある二つ並んだホクロが目印。イツミ(=恋人)の身体だった。
 もしかしてオレたち、入れ替わってる……?
 そんなまさかな事を思っているとオレの身体が動き出した(オレが目覚めて逡巡し、オレの身体が動き出すまではその間二秒の出来事である)。
 俯いたオレの身体は裸で、右手がゆるりと動き、それから剥き出しのち○こをむんずと掴んだ。
 今オレの身体はそれじゃあないのに、オレの股間がキュンとする。もしかしたら性感帯って魂の方にあるのかも。
 それからシュッシュッと扱き出したオレの身体。口が小さく開いて、細切れの喘ぎが零れだす。
 自分の、しかも喘ぎ声を外から聞くのってすごく変な感じだしめちゃめちゃに恥ずかしい。
 そしてオレの身体は喘ぎに紛れて言う。
「は、あ、あ、キオのちんこ、可愛いっ……!」
 あーー!!これはもう間違いなく俺の身体にイツミが入っていますね。恍惚の表情はオレの顔なのにイツミの顔に見えてくるよ。
「ちんこ……キオの……ちんこ、あ、あっ、気持ちいっ……」
「や、やめろ、オレのちんこ扱くな、ばか、変態!」
 股間がキュンキュンしてしまう。物理的には扱かれていないのに、オレの身体でちんこが扱かれているから、オレ自身のちんこが扱かれているのかと錯覚する。
 いや、扱かれているんだけれど、オレの精神はそこにはいないから、でもオレの身体だし……。
「は、あ、キオのちんこのお口ヒクヒクしてる、可愛い」
「ん……」
 イツミがオレのちんこの先端にある小さな穴を指の腹で撫でる。敏感なそこはたしかにヒクヒクして、指に吸い付いていた。
「ここ気持ちいい? キオ」
「あ、やだ、やだっ」
 オレの身体だけど、オレの身体じゃない。なのにオレは凄く感じている。ビリビリとした刺激で脳が焦げ付きそう。
「はは、お尻キュンとしてる。気持ちいいんだ」
「はあっ、ん、んっんっ」
 竿を扱きながら先端をグリグリされた。溢れたカウパーを絡ませて、淵をぐるりとなぞる。
「い、くっイくっ」
 びゅっ、精液を吐き出したのは、イツミが入ってるオレの身体だった。
 オレの顔をしたイツミはにやりと笑う。
「キオの身体、いっぱい開発してあげる」

終わり

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