「……クソッ!!」
 コンビニから帰って来た俺が自宅マンションの玄関を思い切り蹴りつけたのは、別に情緒が不安定だからとかじゃなかった。
 いや、まあ荒れてるし不安定と言えなくも無いが。
 何かと言えば、ドアノブにかけられたスペルマ。しかもかけたてほやほや。
 つまり俺がコンビニに行っている間のたった五分間で発射された汚濁。
「クソ!!」
 ガコンと二度目の蹴りをして、今度は足が痛くなる。

 きっかけは覚えてないが数ヶ月前から、ドアノブを始めあらゆる持ち物に何者かがスペルマをかけるようになった。
 それが気持ち悪過ぎて、俺はインポになってしまった。
 AVを見てもダメ、風俗行ってもダメ、朝立ちからの即オナしてもダメ。何者かのスペルマを思い出してしおしおの萎え萎えになってしまう。
 だからもう、ずっと抜いていなかった。

 復讐しよう。
 そう誓った俺は、とある休日、ドアの前にへばりつき覗き穴からじっと見守る。
 来たら×す、来たら×す、来たら×す。物騒な事を思いながら、朝から時間を忘れてその時を待った。こんなに楽しい気分は久々だった。
「はあ、はあはあ、はあ」
「……まじかよ」
 俺は驚き、小さく呟く。
 奴は現れた。どんなキモい変態かと思えば、そこそこタッパのある、今時の小綺麗な男子高校生だった。
 奴は一瞬辺りを見回すと、躊躇なくブツを取り出して扱き始める。シュッシュッとしごく動作は素早く、ブツはあっと言う間にガチガチになっていた。
 若さだろうか。奴は直ぐにイきそうになっていた。五分で発射も納得の早さだった。
「はあっ、イく、イくイくイく」
 上擦った小さな声が耳に届いた。ハッと気が付いた俺は勢いよく扉を開ける。
「グウッッ」
 小さい呻きが上がり、どさっと尻もちをつく音がした。
 そりゃ痛いだろう。ドアノブに急所をぶつけたのだから。ざまあみやがれ。

 尻もちをついた男子高校生は呆気にとられ、アホみたいな顔で俺を見上げた。ところが奴のブツは萎える事なく硬くなったままだった。
「……クソッ」
 腹立たしい、忌々しい。俺のナニは未だ硬くなる事すら忘れたままだというのに。
「ううっ……」
 サンダルを履いた右足で男子高校生のブツを踏みつけた。
 体格に見合ったでかいブツは、サンダル越しにもその硬さを感じさせる。恐ろしい凶器だった。
 それにしたってちっとも萎える気配が無い。グニグニと踏み潰すつもりでいるのに、なんなら男子高校生は小さく喘いでいた。
「おいおい変態かよマジで。踏まれてちんこ硬くしてんなよ、なあ」
「あっ、うっうっ、イく、イくっ」
「は? ふざけんなよ、イくな、ばかっ」
「あっあっあっあっ……っな、んで」
 もうイきそうな切ない声を上げたから、俺は足を離した。するとイけなかった男子高校生は物足りなそうに俺を見上げた。
「なんでじゃねーよ、ふざけんな」
 バシッと頭をはたいて前髪を掴む。ああ、俺悪いことしてんな。でも当然の報いだろう。
「手、離せよ。後ろで組め。腰振って手使わないでイけよ」
「そんなの……」
「早く」
 男子高校生は一瞬躊躇ってから、手を後ろで組みうさぎ跳びの体勢になって腰を振った。
 ぶるんぶるんとでかいそれが上下に揺れる。びたんびたんと音がしそうな勢いで、自分の腹にぶつけてそれがちょっと気持ちよくなっているらしい。
「……は、マジかよ」
 俺は自身の変化に気付いて笑いがこみ上げた。
 スウェットをずらし、少し硬くなった俺のブツを取り出す。
「そのまま咥えろ。噛むなよ」
 ブツの先端を男子高校生の唇に擦り付けると、躊躇なく口を開き深く咥えた。でかい口の奥まで飲み込まれていく。
「はは、お前上手いな」
 じゅぼじゅぼと頭を動かしてフェラする。褒めると少しだけ嬉しそうだった。
「は、あ、ほら、先っぽ舐めろ」
 俺がそう言うと、口から出して先端をちろちろと舐めた。ちゅぱちゅぱと吸い付いて可愛げすら感じた。
「はあ、はあ……あー、やべえ。全部飲めよ、なあ」
「ごっ、ふ、」
 頭を掴んで深くまで咥えこませる。
 思えば朝から扉に張り付いていた俺で、ソレが込み上げるのは当然の事だった。
「んっ……ぐっ、ふっ、ごほっ、んんっ」
 しょろしょろとで始めたそれは男子高校生の喉に叩きつけられた。
 嘔吐感が込み上げるのだろう。何度も舌が痙攣して、半泣きになった目が俺を見つめた。
 けれど俺は決してやめる事なく、男子高校生の頭を抱いて放尿を続けた。

「はあ、はあ……マジで変態だな」
 男子高校生が俺の小便を飲まされながら吐き出したスペルマを見て、身体が熱を持つのを感じた。

終わり

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