「圭人(ケイト)起きて、お願い、圭人、圭人」
「んん……」
「寝ぼけてないで……っお願い、圭人、もれちゃう、圭人、圭人……っつ、あ、っ……ひ、あ……」
 深夜二時、しょろしょろと溢れる水音と、此矢(コノヤ)の啜り泣く声が聞こえ出す。俺はそうして、ようやく起きたフリをした。
「ん、ごめん此矢。また間に合わなかったか」
「う、うえっ、え」
 背中をぽんぽんと撫でると、さらに泣き出す。ふるふる震えて泣きながら、それでもおしっこは止まらないらしい。俺の腰元まで濡れてきた。今日はいつにも増して大量だ。
「此矢、大丈夫だから。一回下脱いじゃおうな」
「ん、ん、」
 此矢の背中を撫でる手を、そのまま下に移し、薄手のズボンのゴムを指で引っ張る。此矢はされがまま、うんうん頷いて腰を少しだけ上げた。
 此矢19歳。昼間は髪をツンツンにさせ、いたずら盛りの不良をしている。この春、めでたく(皮肉)高校の留年が決まった(二回目)。
 そんな此矢の可愛いトラウマは、夜にトイレ及び、水回りに一人で近付くことができない、という事だった。
 その理由は此矢が小さい頃、浴室で母親が死んでいるのを見つけた事に起因する。事件そのものは父親の殺人事件として処理されたが、此矢の記憶と心には一生片付かない傷が付いた。
 そうして、此矢は夜10時を過ぎてから水回りに利用する時には、俺と一緒でなければ近付く事さえ出来なくなった。
 俺は此矢の兄で、此矢をこの上なく愛している。
「もう全部出した?」
 濡れて張り付いたパンツを脱がす。へにょりと萎えたそれを手のひらで包み込んで、軽く握る。
「ん」
 泣いて疲れた顔と声で頷く圭人。どちらかというと眠そうだった。
「ほんと?」
「ん、あ」
 此矢のそれをかぷりと咥え込む。しょっぱい。先端を丹念に嬲り、小さな穴を舌でほじくると、おしっこの残りが少しだけ出てきた。それすら吸い上げてから、右手で竿を擦り上げる。
「んん、ん」
 溢れ出したカウパーを付けるために、手のひらで亀頭をこねくり回すと此矢の腰が揺れてカクカク突き上げるように動く。随分可愛らしく成長したなあ、と感慨深いものがあった。
 左手の人さし指も擦り付けてから、再び咥え込むと此矢は呆気なく果てた。口の中に出されたそれを余さず吸い出し、此矢の無防備な尻穴に垂らし付ける。
 穴は入り口を少し撫でるだけで、精液の滑りを借りて簡単に左手人さし指を受け入れた。数回抜き差しして、中指も入れる。指を開きながら抜くと、此矢が気持ちよさそうな声で鳴いた。
 その頃には元気を取り戻した小さい此矢をもう一度咥え込む。
 出せるものは、全部出させる。
「っん、く、あ、あっ……ひっ……」
 此矢の悶える声が可愛らしくて、俺はついつい、もっと聴きたくなってしまう。中に入れた指で、柔らかい前立腺を挟みこりこりと揉みつぶす。それと同時に唇で搾り上げるようにすると此矢の声はさらに激しくなった。
「おあああっひ、いっんんん……ひっ、ひっあっあああっあ」
 仰け反って、中がビクビクと痙攣する。前立腺の気持ちよさだけでドライでイくなんて許さない。全力で吸い上げるとびゅーびゅーと精液が噴き出す。
「ふえっ、ふえ、くひっい、いやっだ、あっっあっ」
 全身全霊でイって此矢をそれで終わらせるようなことはしない。左手は穴から抜き去り、口を離してカリと亀頭の継ぎ目を指で擦り上げる。
 イった直後の敏感な身体は、そんな事をされれば脳が直接扱かれるような快感に襲われているだろう。
「ひいっっいいいっあーーーー」
 ぶしゅっ、噴き出した此矢の噴水は此矢の腹に水を溜める。
「ふえっ、ひい、ひいい、あ、だめ、だめ、やらっあ、あああっひいいい」
 そこで終わらせるわけもなく、そのまま亀頭を擦り続ける。連続で与えられる強制的な快楽に、此矢はまたすぐに潮を吹いた。
「あっ……ぐっ……ひ……ひ……」
 呼吸すら快楽と勘違いして、此矢が喘ぐ。一瞬身体を硬直させて弛緩してを繰り返し、脳内だけで巻き起こる止めどない快感に襲われている様はいつ見ても圧巻だった。
「此矢?もうなにも出そうにないね」
 目線がふわふわと宙を漂う此矢を抱き上げ、風呂場へ向かう。俺の首元にぎゅうっと顔を押し付けて、怖いものは見ないように一生懸命だった。
 こんな俺に縋り付いて離れない、此矢はつくづく可愛らしく成長してくれた。
 夜寝る前に、利尿剤入りの飲み物を大量に飲ませてあげるのも、夜中此矢に起こされても寝たふりをし続けるのも、此矢が可愛らしくて仕方がないからだった。
 さあ、明日はどうやってお漏らしさせようか。
 抱きついたまま眠りに落ちそうな此矢の背中を撫でながら、俺はそんなことに思いを馳せた。

終わり






別ver此矢がイき切った後
「此矢?もうなにも出そうにないね」
 此矢の腹に溜まった潮吹きの水。くてんくてんの此矢の身体を起こすとベッドに落ちる。お漏らしは折り込み済みなので、いつも防水シーツを敷いてある。
 それでも「漏らしてしまった」というダメージは大きい。
「喉乾いただろ?」
「う、あ」
 まだ快感の治らない、脳みそも身体もガクガクの此矢の頭を水溜りに浸した。
「脱水症起こしちゃうしね。残さず飲んだら、もう一眠りしようか」
「うっ……えう、うっ」
終わり

戻る

戻る