三兄弟の次男は友人と年越しをすると言って昨夜遅くに出て行った。
 残った長男と三男は、紅白を観て蕎麦を啜り、一緒の布団でぬくぬくと年越しをする。
 そうして少し夜更かしをして遅く起きた元旦の朝。
 三男は窓から差し込む朝の日差しで目が覚めると、後ろから長男に抱きしめられている事に気付いた。
 誰に邪魔をされる事もなく長男を独り占めする今この瞬間が幸せで、長男の腕をぎゅっと抱き寄せて人知れず微笑む。
 不意に長男の手が動いて、腕の中の三男を羽交い締めにした。
「わあっ、起きてたんですか」
「ああ、起きてた。なんか可愛い事してるなって様子見てたんだ」
「うう、早く言って欲しかった」
「んー? どうして欲しかったのかはっきり言ってみ?」
「ぎゅーってして欲しい……です」
 三男の可愛いおねだりに、長男は微笑んでぎゅうぎゅうと抱きしめる。
「ほら、ぎゅーっ」
「えへへ……んっ」
「あ、わるい」
 長男の手が滑って三男の内股を撫でると、三男が小さく声を上げた。三男はなんだか恥ずかしくて顔を真っ赤にし、長男の言葉に答える余裕もない。
「てか朝勃ちしてるな。せっかくだし俺が抜いてあげるか」
「んっあ、なにっ? ひやっあ、」
 長男の手が三男の股間を優しく撫で上げる。今まで排泄以外に触れることのなかった場所を、大好きな長男に触れられて三男は腰がひけた。
 けれど長男はお構いなしに三男のスウェットに手を差し入れ、半分柔らかい性器に直で触れる。
「ンアッ、ひあ、なん、なっんなの」
「触ったことない? 自分で」
「ないっ、あ、っああっ、は、」
「ふは、柔らかい金玉小さくて可愛いな」
「ふあっああ」
 柔らかい精嚢を揉みしだかれて三男は甘い声を上げた。
「ほら、新年初イき」
「んああ、んっおかしくなっちゃ、うああっ」
 硬くなった性器を扱くと三男は仰け反り声を上げる。先端を指の腹で撫で付けると腕の中でビクビクと面白いほどに反応した。
「中々イかないな?」
「んやあっ、あーっちんち、っんんこわれっちゃう、あっあああっ」
「んー?」
「ひあっあっ……あっ……」
 三男は嬌声を上げるのに中々射精しなかった。意地になって長男が搾り上げるように扱いたり優しく撫でたりしてもイかない。
 あれ、まさか?と気付いた頃には意識が飛びかけた三男が腕の中で痙攣している。
「精通、してないのか」
 完勃ちしてようと、どれだけ刺激を与えようと、未熟な身体は応えられない。許容をオーバーした果てなき快感に三男は限界を迎えた。
 しょろ……じょろろろ……。
「は……ふぁ……は……」
 迸る液体が布団を染め上げる。
 新年早々の粗相に、三男の機嫌を直すのに、長男は二週間ほどご機嫌取りに勤しんだ。

終わり


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