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 テーブルの下から足を伸ばして股間を踏みつけると、二歹は小さく呻き声を上げる。熱のせいか勃起はしないが、気持ち良くは感じているらしい。
「ん……ん……」
 テーブルに顔をぐったり押し付けて、力の入らない手で古佐治の足を触った。どうして欲しいのかはっきりしない意思表示の欠片に、古佐治が足の力を強めると、くうう、と唸る。
 一旦足を離し、椅子を足で強く蹴り付けると、二歹はあっけなく椅子ごと床にひっくり返った。打ち付けたのは背中のようで、衝撃で呼吸も出来ないようだ。
 古佐治は茶碗を流しに片付けると、二歹の前にしゃがみ、くしゃくしゃの頭を撫でる。その優しい手つきに浸る暇もなく、古佐治は笑顔で言う。
「四つん這いより騎乗位の方が楽だと思いますけど、どうします?」
 辞めるなんていう選択肢は、はなから用意されてはいない。

 古佐治はソファに座り、その上に二歹が跨る。シャツを口に咥え、裸になった下半身を晒していた。シャツのおかげでくぐもった荒い息が聞こえる。
 二歹は渡されたローションを古佐治の性器にかけ、右手で数回扱いて勃起させた。その右手を自身の後孔に這わせて多少滑りをよくさせる。傷口に触れてしまうのか、ビクビクと跳ねながらの作業は、まるで膝上でのオナニーショーだ。
 ローションの量があからさまに足りないものの、二歹は意を決したのか、右手で古佐治の性器を支えながらゆっくり腰を降ろしていく。
 休ませることのない穴は傷で腫れて、熱を持っていた。穴に触れると二歹はぎゅっと目をつぶり、古佐治の肩に掴まる左手に力が入る。
 二歹にとって恐ろしいものに成り果てた性行為を、それでも恐怖を堪えて行うのだから、その姿に古佐治は興奮を覚えた。
 痛く、辛くした方がいい顔をするのなら、もっと酷くしたい。
「ふー…ふー……ううっ……んん……うー……うう、うう、」
 痛みで力が上手く抜けないのか、中々奥に進まない。熱と疲労で疲れ果てた二歹は目尻に涙を滲ませながら、無理に押し進めようとする。
 ぬるぬると滑り、先端さえも入ってくれない。焦りが募り、何度も繰り返すが進まない。身体が拒否しているようだった。
「うう……うー……うっう……う……」
 ぽろぽろと泣き出した二歹に熱が上がる。まるで子供のよう。
 古佐治は二歹の尻肉をそれぞれ片手に鷲掴み、割開いて出てきた穴の淵に指を当てる。押さえるようにして穴を開かせる。息を飲んだ二歹に、にやりと笑って奥まで貫いた。
 噛んでいたシャツの裾が落ちる。
「ああああっ」
 耳元での悲鳴に鼓膜が破れそうだった。中は熱く、本当に熱が出ている事を知る。蕩けた胎内をかき混ぜるように何度も突き上げた。二歹は上に押し上げられて古佐治の肩にしがみつく。
「あっあっあっあっ」
 痛みと苦しさしかない、押し出された声が切れ切れに耳に届く。
 あいつの言っていた「縋り付かれる」感覚が、わかった気がする。
「ああああ」
 最後に腰を掴んで引き落とし、深々と突き刺すと仰け反り声を上げた。一番深いところに精子を放つ。
「あ……あ……んん……」
 ぶるっと震えたと思うと、萎えた二歹の性器からしょろしょろと放尿が始まった。2人の間に水溜りができる。
 全身びっしょりと汗をかいた二歹はそのまま古佐治の肩に頭を乗せて、意識を失うように眠った。

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