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 手足を養成テープで拘束し、目隠しと猿轡をしてから聞く。
「こんな格好させられてるのになんで無抵抗?やっぱりマゾ?」
 二歹はうぐうぐ言っているが、答えを聞く気など毛頭なかった。だらりと垂れる萎えた性器を無遠慮に掴み、適当に扱きだす。
「尿道責め初めてなんで、失敗したらすいませんね」
 二歹から古佐治の表情は見えなかったが、感情がまるでこもっていない声に震えた。
 緊張と恐怖で勃ちそうにもない性器から手を離す。実は勃たせない方が入れやすいと聞いたこともある。仕方ないから、萎えた性器に冷たいローションをかけた。
「んん」
 冷たさに二歹が声を上げる。古佐治は親指の腹で尿道口にローションを馴染ませるようぐりぐりとこする。
「ああっあっ」
 強い刺激に尿意と快感が込み上げる。二歹は頭を振って声をあげた。
 古佐治は用意しておいた玩具を手に取り、性器の周りに擦り付ける。それは細身の尿道バイブで、挿入部分は緩やかな波になっており、色は黒だった。性器についていたローションが玩具について、馴染ませるために指で数回扱いた。
 古佐治は性器をしっかり掴み、先端の小さな穴に玩具をあてがう。二歹は身体を緊張させた。足の指にも力が入っているのが見て取れた。
 小さく入り口をくるくるなぞり、穴を塞ぐようにすると、気持ちいいのか甘い吐息を零した。その頃を見計らって、玩具を押し進めると、二歹は引きつったような声を上げる。
「ああっあー、あー」
 浅く抜き差しすると、入れる時の切り裂かれるような痛みと、抜く時の尿意に近い感覚が繰り返され、二歹はそれが大変お気に召さないらしい。
「ああああああ」
 濁点のついた汚い悲鳴が心地よい。せっかく慣らしてあげようとしたのに嫌だと言うから、一気に奥までゆっくりと挿入してあげたんじゃないか。
「あああっあっくっああー」
 後頭部を椅子にごりごり押し当てて、痛みを紛らわそうと必死のようだ。首まで真っ赤になって、全身に力が入っている。
 気持ち良さそうな声じゃなくてよかった。そんな声出されたら、使えなくなるまでぐちゃぐちゃに掻き回しているところだった。
 中々奥に進まない玩具をその場でくるくると回し、悲鳴のBGMに心が安らぐ。どうしようもない残虐性を、押し殺すつもりもない。

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