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 玄関の邪魔な靴を足で端によけてからあがる。帰らないならいらないんじゃなかいか、いっそ捨ててしまえばいいのか。
 パソコンのある部屋を覗くとそこは綺麗に片付いていた。軽く換気もしたのか、嫌な臭いも殆ど消えている。けれど念のため消臭スプレーを振りまいた。
 寝室を覗くと床の真ん中にビールの缶と一緒に転がる二歹の姿。一本で泥酔しているのだから、なんて安上がりな男だろう。
 まだ空いてない二つ目を手に取り、ベッドを背もたれに古佐治も床に座った。勝手に着替えから選んだのか、シャツとトランクスだけ身につけて、猫のように丸まった姿を静かに眺めた。
 よく似ているのに、全然違う。全然違うのに、面影を重ねる。デタラメな矛盾に目をつぶる。
 古佐治は足を伸ばして、二歹の閉じられた足の間を抉った。柔らかい股間をつま先で圧す。
「んん……」
 そういえば、一度もイかせてなかったかもしれない。足の指で適当に煽ると、すぐにモノが硬くなった。今度はそれのラインをなぞるように、上下になぞる。
「あ……ん……ん……」
 気持ち良さそうな声に無関心のまま足を動かす。自分の下着が汚されるのがなんだか癪で、パンツのゴムに足の指を引っ掛けて引きずり降ろす。
 硬くなったモノが弾けるように飛び出した。ついでにシャツも少し上げさせてから、再び性器を足で弄った。
「ん……ん……」
 起きているのか寝ているのか、酔った影響で意識はあるものの起きないのか、二歹は小さく喘ぎ続ける。
 古佐治は飲み干したビール缶を傍に起き、二歹の骨盤を押しながらその場に立ち上がる。仰向けにさせて、股間に足の裏をピタリと合わせて、少しずつ圧迫していく。
「あー……んん……」
 性器を踏み付けられて、二歹は眉間にしわを寄せた。それでも、特に抵抗することもない。
 だらしない奴。古佐治はあざ笑い、足を前後に動かした。
「あーっあーー、あー」
 足をおっ広げ、腰をビクビク震わせて善がる姿は何とも滑稽だった。
「んーーっあーんあーー」
 もうイきそうなのか、自ら腰を上げて足に擦り付ける。それさえも押さえつける強い力で踏み付けて、性器をぐりぐりと圧した。
「あーあーっっっ……あぎいっっっ」
 イく瞬間に足を離し、陰嚢を思い切り蹴り上げる。それでも射精が始まっていたから、痛みに悶えながら精子を吐き出す。
「ひーー……ひいい……」
 さすがに目覚めた二歹は手で陰嚢を押さえながら、射精している自身と古佐治とを交互に見つめる。同じ男だから痛みは知っているけれど、優しくする由もない。
 床に撒き散らした精子に足の指を這わせた。汚れた指を、痛みに鼻息を荒くしている二歹の口元へ持っていく。
「汚れたから、綺麗にしてもらえます?」
「はー……はー……おぐっ」
 小さく開いた口に足の指を突っ込み、口内を犯した。散々口の中を足の指でかき乱してから引き抜き、付着した唾液を二歹の顔になすり付けた。
「床もちゃんと、綺麗にしてくださいね」
 古佐治はそれだけ言い、換気のために窓を開け、電気を消してベッドに寝た。床の下でごそごそ動く音がしたが、大して気にもならず、深い眠りに入る。

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