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 さすがに精子を出し尽くしてしまったのか、一回しかイくことが出来なかった。それでもなにか物足りなくて、二歹の胎内で放尿する。
「んんんんっ……」
 涙を溢れさせて声を上げる二歹にようやく満足して、性器を引き抜く。汚物に塗れて臭い。
 ぶしゅっぶっば……。酷い音と悪臭を放って緩んだ穴から排泄物が床にぶちまけられる。力尽きた二歹は床に伏した。
 古佐治は彼に目もくれず、汚れた足や性器をホースから出る湯で洗い流した。浴室を出る間際に、今だ苦しそうに喘ぐ二歹の背中に湯を出しっ放しでホースを置いたのが唯一の優しさかもしれない。
 がちゃん。服を着替え部屋を出る。特に予定はなかったが、居心地の悪い空間から早く逃れたかった。行く当てもなくふらふらとしても、家の中にいるあの人の事を考えてしまうばかりなのに。
 連休の始まりではあったが、祝日で街は賑やかだった。駅前の人混みを避けて、適当なファストフード店に入ろうとしたが、そちらも混み合っている。
 どうしてこうも、馬鹿みたいに同じことをするんだろうか。その馬鹿みたいに同じことをしている自分に気付いて自嘲する。
「古佐治」
「は、」
 心臓が高鳴る。罪悪感か、緊張か。これはきっと恋だ、とか。

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