延長戦2020/05/07

 カチカチ、かたかたかたかたかたかた。
「新戸なにしてんだ」
「んー?」
 晴れて結ばれたにもれとソノニ、もとい新戸と社築。会社が休業中の社築は新戸の家に入り浸っていた。
 新戸がなにやらパソコンを操作していたので社築が声をかける。
「俺さ、ニート卒業したって言ったけど実際は来週からなんだよね」
「あ、そうなんだ。つか、就職ってどこに決まったんだ?」
「派遣切りされたって言ったら、派遣先の会社が声かけてくれて、とりあえず試験運用? で来週からどう? みたいな」
「へー、良かったじゃん」
「ていうのを4社くらいから持ちかけられてて俺まじ人気者〜」
 人生イージーモードなんて言葉が頭に浮かぶ。
 なんだかんだでことが上手く運ぶ新戸の唯一の汚点と言えばスカトロ癖だが、今やそれさえ新戸の魅力と化しているのでもはや怖いものなしだ。
「ただお布施全部宝くじで使ったから、当面の生活費が無いんだよ。ってわけでおしっこ生配信始めまーす」
 カチカ
「はいストップストップストップ。行動力の化身かよ……びっくりした、ちょっと俺の話を聞いて、新戸」
 急に生配信を始めようとマウスをクリックする新戸の右手人差し指を慌てて掴んで止める社築。
 バックハグする社築の胸に頭をぐりぐり擦り付け、見上げてくる新戸が可愛すぎて意識が飛びそうなのを必死で堪えながら。
「あのね、新戸くん。君はもう俺の恋人なの。だからネットの向こうの人たちに君のちんちんやおしっこを無防備に晒して欲しくないわけ。わかる?」
「あー、なるほどね、独占欲!」
「うん、そういうこと」
 軽いノリで言う新戸を強めに抱きしめる社築。の頭をぽんぽんと撫でる新戸。
 特に理由もなくそういうスキンシップをしてくる新戸が、社築は堪らなく愛しくなる。
「でもなあ、生活費が……」
「じゃあ俺が当面、お布施してあげる。その代わり新戸は俺のしたい事をさせてくれる。俺だけのにもれになる、
それで良い?」
「あ、良いじゃん。ギブアンドテイク、よろしくお願いしまーす」
 と契約締結したが、「あれ、これただの売春じゃね?」とお互い心に思いながら口にはしなかった。
「それで、俺の事大好きな社築くんはにもれにナニして欲しいわけ?」
「……温泉浣腸」
「なにそれ? わかんないけどいいよ」
 新戸のそういうとこ心配だけど可愛いよね。社築は微笑みながら新戸の手を取って風呂場へ移動した。

「ん……あ、はあ、っん、普通に風呂場でエッチするだけ?」
「違う」
 駅弁スタイルで挿入しながらキスをする。合間に新戸が聞いて、社築が新戸の腹を撫でる。
「新戸の中に俺がおしっこするの。していい?」
「うわ、なにそれマジ変態」
 と新戸は言うが、キュッと穴が締まったので想像して多少は興奮しているらしい。
 おしっこシャワーは嫌がったけど、中に出される分には大丈夫そうだ。
「ダメ?」
「そんなにおしっこしたいの?」
「うん、おしっこしたい。我慢できない」
「わかったいいよ、おしっこする顔俺に見せて」
 中でおしっこしたがる社築も社築だが、新戸も大概だ。いよいよ、自分がするだけでなく、恋人の放尿顔にまで興味を持ちだしたのだから。
「ん……はあ……」
 じわっ、体内に精液とは違う熱が放出される。社築は目をつぶって、気持ちよさそうに解放している。
「は、ん、すご……いっぱい……」
 新戸は思わず穴に力が入る。多量の熱も、社築のおしっこ顔も新鮮で悪くない。
「すげ、気持ち良かった……このまましていい?」
「ん、だめ、俺もおしっこしたい」
「いいよおしっこして」
「ん……」
 社築に促されると、自らキスをして甘い吐息と共におしっこをする。ぬるい液体が二人をびしゃびしゃと濡らした。
 おしっこする時にキスをするのが当たり前になってきたらしい。社築はそんな刷り込みの成功を密かに喜びながら、新戸を揺さぶる。
「んっ……ん、」
 しょあ、しょあ、揺さぶりに併せておしっこも揺れた。
「きもちい?」
「きもちぃ……」
「イきそ、中に出していい?」
「いいよ、全部俺にちょうだい」
 は、なにその台詞。社築は思わず舌舐めずりして奥まで突き上げる。苦しそうに喘ぐ新戸が堪らない。
「新戸……」
「うっ、あ……」
 身体を強く抱いて胎内に吐き出す。新戸に全てを捧げる事が、新戸の全てを手にしたような気持ちだった。
 二人の荒い息が浴室内に響く。
 新戸から社築の自身を抜くと、だぱだぱと中のものが落ちてゆく。
「うっわ、俺ケツからおしっこしてるの楽しい」
「どんな性癖だよ……好き」
「え? 俺も好き〜」
 可愛い。口にはしないでキスをした。

終わり


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お詫びの延長戦です、コメ返もう少しかかります、申し訳ございません。

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