クリスマスが終わったと思えばあっという間にやってきたお正月

お正月といえば親戚が集まるイメージだが
うちは家は別だ、いつもとなんら変わりない。サスケ一家もイタチ一家もみんなうちはの実家にいるのだから

でも、ひとつ違うことがあるとすれば、、、





「ミツバ〜〜〜、もう一本〜」


『・・・・。』


ミツバ〜、なぁ頼む〜
と大きな声で私を呼ぶのは、そう
・・
あの、うちはイタチだ
普段はあまりお酒を呑まないせいか
たまーに呑んだら別人のように豹変する



『パパ、ちょっと飲みすぎじゃない?』


「ん?まだすこーししか呑んでないぞ?」


顔を真っ赤にして、おどけるイタチ
普段では想像できない様子にハズキも驚いている


「パパ〜、どうしたの?お顔真っ赤だよ?おねつ〜〜?」


コツンと自分のおでことイタチのおでこをくっつけるハズキ
それがたまらなかったのかこれでもかというくらい息子を抱きしめるイタチ


「ハズキ〜、パパはな、ハズキが大好きだぞ〜?」


「ハズキもー!」



ハズキにべったりなイタチだがこれ以上お酒が入って絡みが激しくなる前にとハズキとイチカを寝かしつける



『やっと寝てくれた…て!まだ飲んでたの?!』


「ミツバ、今日は大晦日だぞ?まだまだ夜はこれからだ!」


「流石兄さん!すべて兄さんの言う通りだ!」


え、、、もう一人増えてる、、
大晦日なのに任務に駆り出されていたサスケが帰ってきていたようで一瞬で出来上がってる、、、


『サクラちゃーん!サスケ出来上がってるよー?』


「え?サスケ君?!いつ帰って来てたの?!」


「さっきださっき!それよりサクラ!兄さんにもう一本持ってきてくれ!」


声ぐらいかけてくれてもいいのに
と呟くサクラちゃん

本当にその通りだ、この兄弟ときたら
お酒に弱いのにもかかわらず次から次へと栓を開けていく

「今からサラダ寝かしつけるからちょっと手が離せないの!」


ウトウトし始めていたサラダを抱いて寝かせようとしていたのだがサスケの声で起きてしまったため不機嫌のサクラ

仕方ない、と私がお酒を持って行こうとすると



「サスケ、あんまり飲みすぎはよくないわよ?はい、お酒」



「母さん、ありがとう」

スッと差し出すミコトさん


「そうか、サスケも酒が飲めるようになったんだな」

長〜いお風呂に入っていたフガクさんもやってきた


「母さん、オレにも一杯」


そう言うと思ってました
と予想していたかのようにフガクさんのお酒も出てくる

お義母さん、流石っす



もういくつ寝ると



それからフォーメーションやら忍術やら仕事の話に花がさく男3人
するとサラダを寝かしつけたサクラが居間へ戻ってきた

「まだ飲んでるんですか?」

「みんな強くないのにねぇ、今年は年を越す前に寝ちゃうわね!きっと」


ウフフと嬉しそうに笑うミコトさんの言う通り1時間後には3人とも酔い潰れていた


『ちょっとー?イタチー?起きないと風邪ひいちゃうよ?』


「ん"〜」

眉間に皺をよせ身をよじるイタチ

『おーい、起きてよー』


「んん"〜〜」

まったく起きる気配がない
サスケもフガクさんもサクラとミコトさんに声をかけられ何とか部屋に戻ったというのにこのお兄さまは、、、

仕方がないので肩を貸そうと腕を持ち上げようとする

「ん"ん〜ミツバかぁ〜」

『イタチ、部屋戻るよ?』

「あぁ、わぁった〜」

どれだけ弱いんだ小一時間ほどしか飲んでいないのに呂律がまわっていない

『大丈夫なの?持ち上げるよ?』

グイッと腕を持ち上げて立たせるがフラつく足

『ちょっと〜大丈夫なの〜?』

「あぁ、らいじょうぶ、、、『え?!わっ!!』」

ードサッ



『いった、、、、』

後から背中にはしる痛み、目を開けると広がる天井
そして体全体で感じる重み

『え?!イタチ?大丈夫?!』

重みの正体は私の上に倒れこんでいるイタチだった


「ん"ん"〜・・・」


『え?ちょ!こんなとこで寝ないでよ!風邪ひいちゃうって!』


「ミツバ・・・あったかい・・」


『え』


そう言いながら動いたイタチの腕はしっかりと私をホールドしてしまった


『ええええ?!待ってイタチ!ちょ!動けないじゃん!起きてよー!!』

「zzz…」


腕を解こうと押しのけてみるがホールドされた腕はビクともしない
はぁ、今日はこのまま寝るしかないのだろうか
でもこんな状況誰かに見られたら恥ずかしくてもううちは家で暮らせない!
ハズキとイチカも心配だし、、、

もう一度イタチの下から脱出を試みたがビクともしなかった












「はぁ、少し飲みすぎたな、、、」


ーージャアァァァ

トイレも近くなったし、歳をとったということか。水でも飲んで寝るとしよう。


ん?居間の電気が付いたままだな、誰か起きているのか?


ーガラッ「まだ誰か起き、、!!」




はぁ、息子よ。
そういう事は部屋でやってくれ


イタチが乗っているにも関わらずスヤスヤと眠るミツバと覆いかぶさり爆睡のイタチ

しかしこんなとこで寝ては寒いだろうに
と毛布をかけてあげるフガク


息子が結婚し子どもまでいるんだ
オレも歳をとるはずだな、、、











『ん"ん"〜おもい・・』

はっ!そうだあれから寝てしまったんだ!誰かに見られた時の言い訳のため起きておこうと思ったのに!
身うごき取れる範囲で必死に時計を見るとまだ朝の5時
いつもミコトさんは早く起きるが元旦の今日はそんなに早く起きていないはず
という事はこの状況は誰にも見られていない!
早くイタチを起こしてこの状況をなかったことにせねば!

『イタチ!!イタチ!起きてよ!朝だよ!』

「ん〜、ん?ミツバ?なんでオレの下に。っ!頭が、、、」

いろんなことに頭がついていけてない様子のイタチ、おまけに二日酔いのようだ


『昨日飲みすぎでコタツで寝てたの移動させようとしたら倒れちゃったの!動かそうとしてもビクともしないし!重かったんだからね!』

少しずつ状況を理解しバツが悪そうに謝るイタチ


『いっときお酒は禁止だから!』

「あぁ、本当にすまなかった」

そう言って自分の体を起こし私も一緒に起こしてくれるイタチ

するとイタチの体から何かが落ちていった

『ん?イタチ今落ちたのなに?』

後ろを振り向き拾い上げると

「毛布のようだな、誰かかけてくれたんだろ」


『・・・』

え?と言うとこは?あの状況を誰かに見られたってこと?
ええええええ?!サスケやサクラだったらまだいいけどフガクさんとかミコトさんだったらどうしよう!
いくら結婚してるからって恥ずかしすぎるでしょ!場をわきまえろって話だよね!ああああ!どうしようまともに顔見れないよーー!!

「ミツバ?顔色が良くないが大丈夫か?」


『誰のせいだと!!」


「ん?オレか?はっ!もしかして昨日は途中で寝てしまったのか!すまないでは部屋に戻って続きを…」
ーバシッ!

『違うわ!頭のなかどれだけめでたいのよ!もう知らない!』


「・・・さて、なんで怒らせたのか全く記憶にないのが問題だな、酒はしばらくやめておこう」














ー数日後




「ただいま」

「あ、おかえりなさい父さん」


「ミコトやミツバさんは?」


「みんな出てる、今家にいるのはオレだけだ」


「そうか・・・イタチ」


「?」


「その、なんだ、ミツバさんと仲がいいのはいいことだが、、ああいうことは部屋でやってくれ」


「?、、、あぁ。元旦の」


「ああ」


「そうだな、気をつけるよ。父さん毛布ありがとう」









「と、言っていたから毛布をかけてくれたのはおそらく父さんだろう」


『・・・。(終わった)』


「?」

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