「ーという事だそうだ」


『ふーん、カカシ先輩いつも眠そうな顔しててそんな事考えてたんだ。なんか見直した』


作戦実行の日、サクラと一緒に夫の帰りを今か今かと待ち続けていた
どうなったのか気になって仕方なかったがどうやら残念な結果に終わったようだ
でもカカシ先輩の火影としての責任感というか、決意というか、火の意思はこうやって受け継がれていってるんだなと改めて感じる事ができた
これからはカカシ先輩が寂しくないようにたくさん遊びに行ってあげよ!




「次はミツバやサクラ達も含めて集まりたいと言っていた」



『仕方ない!カカシ先輩のために一肌脱ぎますか!』


「何をする気だ」


『うーん、腹踊りとか?』


「頼むから止めてくれ」
カカシさんの前で肌をさらすような事は


『冗談に決まってるじゃん』


「いや、ミツバならやりかねないだろ」


『イタチって私のことそんな目で見てたんだ』


「・・・・。(否定できない)」





男は黙ってトリートメント






ーある日の午後

縁側で本を読む非番のイタチと庭でハズキの髪を切るミツバ。イチカはというとぐっすりとお昼寝中





『でーきた!ハズキ!かっこよくできたよ!』


「ママすごーい!ありがとっ!」

鏡を見て満足気に笑うハズキ
髪を叩いて椅子から降りると一目散にパパの元へと走る


「パパ見て!!短くなってかっこいいでしょ?!」


持っていた本からゆっくりとハズキに視線を移すイタチ


「お、かっこよくなったじゃないか!似合ってるぞ」

頭を撫でられ満足気なハズキだったがふと表情が変わり靴を脱いで縁側に上がってパパの背後に回り込む


「ねぇ、パパ」


「ん?」

視線は本に戻して返事をする


「パパは男の子だよね?」


「あぁ、そうだが?」


「じゃあ、どうして女の子みたいに髪が長いの?」


『ぶっっ!!!』

「・・・・。」



静かにその様子を見守っていたが思わず吹き出してしまった

イタチはと言うと本を持ったまま固まってしまっている


「ねぇパパー?どうして?本当は女の子なのー?」


ねぇねぇ?とパパをぐらんぐらん揺らして問いかけるハズキ
パパはと言うと放心状態


そう言えば、私も昔も似たようなことを言ったことがある
それは私たちが付き合い始めたばかりの頃だった









ーーーーーー





『今日は何処の甘味処に連れて行ってくれるの?』


「今日行く処はオレの一番のお気に入りだ」


ふーん、と言いながら甘味処に入ると優しそうなおばちゃんが迎えてくれた


「あら!イタチちゃん、今日は女の子連れちゃって!いいわね〜!」


「こんにちはおばさん、この子はミツバです」

『あ!こんにちは!ミツバと言います!よろしくお願いします!』

急に紹介されあたふたしてしまったが、よろしくね!と優しく言ってくれイタチがいつも座る席に通された


「おばさん、いつもの二つ」


「はいよ」


通い慣れたやり取りを終えて、たわいない話をしながら注文した団子を待つ

するとふと思った。髪の毛、綺麗だな〜
長いのにどうしてこんなに綺麗なんだろう
見とれてしまうほどに、、、




「っ……!!」

声のした方を見るとイタチの頬が微かに赤らんでいる
気がつくとイタチの綺麗な髪をといている自分がいた


『ご、ごめんなさいっ!』


見とれて無意識に触ってしまったらしい
顔を真っ赤にして固まってしまったイタチ

『イタチくん?』


「っ、あまりこっちを見るな」

そう言ってよそを向いてしまう


『あ、ごめんね?嫌だった?』


「い、いや、嫌ではないが、、、」

どうしてもこっちを向いてくれない


『ねぇイタチくんの髪の毛すっごく綺麗だね?見惚れちゃうくらい綺麗』


言い終わると同時に顔を覗き込もうとするけどよそを向いてこちらを見てくれない
よく見ると耳まで真っ赤にして恥ずかしいみたいだ
なんだか急に可愛くなって、からかいたくなってきた


『ねぇイタチくん、髪緩んじゃったから結い直してもいい?』


「だ、大丈夫だ。自分でできる」

慌ててこっちを向くが結っていた紐はすでに私の手の中にある
結われていた髪がハラリと落ちていきいつもとは違う色気を漂わせるイタチに思わず固まってしまった


『イ、イタチくんって本当に男の子だよね…?』


「当たり前だ、それより結い紐を返すんだ」


『んー、ダメ!私が結ぶの!大人しくこっち来て!』


何を言ってもダメだと諦めたのか渋々私に背を向け座るイタチ
手櫛でとかすだけでサラサラになっていく


『なにか特別なケアしてるの?』


「いや、何もしていない」


『いいなー、羨ましい!』


「それより早く結ってくれ」

いつまでもサラサラと触り続ける私に我慢できなくなったみたいだ


『もうちょっと触ってたかったのにー』

テキパキと結い上げ、本当綺麗だね!と肩越しに伝えると再び赤くなる耳

普段クールなイタチがここまで取り乱す姿を見てとても得をした気がした


ーーーーーーー




ねぇ!パパ!!
と未だに固まったパパを揺らすハズキ


『ハズキー?パパの髪は長いけどちゃんと男の子よ!ほら!ネジくんだって長いけど男の子でしょ?』


あ、ほんとだー!と気が済んだ様子のハズキ。髪じいじ達にも見せてくる!と居間へと走って行った



未だ本を片手に固まっている夫の結い紐を外すと我に帰ったようだ



「随分前にも似たような事を言われたな」


『私もそれ思った』

今でも健在のサラサラヘアを手櫛でとかす


「っ…!!どうも、慣れないな。こればかりは」


下を向いて耳を赤くするイタチ
あの時のように拒む事はなく
されるがままの愛おしい旦那様


たまには私が主導権を握らなきゃね!

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