「お邪魔するってばよーっ!!」
ガラガラッと玄関の開く音とともに聞こえてきた元気のいい声
「こんにちは…おじまします…」
続いて聞こえてきたのは先ほどとは真逆な控えめな声
居間にいたサクラは来た来た!と言いながら玄関のほうへ向かって行った
ハイハイが上手になったイチカと一人で座れるようになったサラダはお互いおもちゃに夢中で声の主たちには気づいていないようだ
「よっ!久しぶりだってばよ」
「こんにちは」
サクラに案内され居間の扉から出てきたのはナルトとヒナタ
「ナルトにぃに!!」
ぎゅーっと足に抱きつくハズキにニカッと笑いかけるナルト
そしてナルトの腕には小さな男の子
名前はうずまきボルト
サラダの1ヶ月後に産まれたのだ
ボルトをイチカとサラダの近くに座らせるとやっと気づいた様子の二人
普段見ない顔に興味を示したのか近づくサラダ
イチカはと言うとその光景をじーっと見つめている
ボルトも近づいてくる珍しい存在に釘づけだ
「あぁーぅぅーー!」
ボルトの目の前に座ると喋りながらボルトの顔を触るサラダ
「うぅー」
そしてとても迷惑そうなボルト
ズリバイでナルトに助けを求めにいく
うちは家の女たちにしっかり洗礼を受けたボルトを見て大爆笑の親たち
こんな歳から女が強いんだ、、、と思った瞬間だった
嫁が一番
今日集まったのは他でもない
六代目火影はたけカカシのお見合い大作戦を実行するための秘密会議だ
「教え子のオレらが先に結婚しちまって親にまでなってやっぱり寂しいと思うんだってばよ!カカシ先生!」
「うーん、確かにねー。よく考えたら今までカカシ先生の浮いた話なんて聞いたことないかもー!(こういうの大好きなのよねー!しゃーんなろーー!!)」
隠しているつもりだろうが明らかに顔がニヤついているサクラ。顔に出てるぞ、サクラちゃん
「余計なお世話じゃないのか、カカシだってオレたちより大人だ」
案の定乗り気ではないサスケ、最初からわかっていたことだけど
「その通りだな、カカシさんに限ってそんな作戦は必要ないだろう」
「兄さん、、、!」
自分の意見に賛成してくれた兄を尊敬の眼差しで見つめる弟は放っておいて
『またイタチはカカシ先輩の話になると機嫌が悪くなるー!せっかく教え子たちが恩を返そうと頑張ってるんだから見守ってあげなよー』
「恩というか余計なお世話な気がするが」と言ってやった、もちろん心のなかで。これ以上何も言い返せない。カカシさんの話であまりいい気分になれないのは事実。暗部時代の嫉妬で。なんて口が裂けても言えない。
「ねぇヒナター、日向一族でいい人いない?」
子どもたちの遊ぶ様子を見守っていたヒナタ
「うーん、男の人ならいるんだけど、、ハナビは若すぎるし、、」
『うん、ハナビちゃんはやめておこう』
いくら年の差婚が流行っているからと言っても差がありすぎる気がする
「なかなか思いつかないものねー、ナルトー!言い出しっぺなんだからいい案出しなさいよー」
「オレだって考えてるってばよー!うーん」
みんなが頭をひねる中ため息と共に口を開いたサスケ
「まず条件だろ」
『条件?』
「極度に時間にルーズでも大丈夫な奴じゃないとカカシの相手は務まらない」
おお〜!っとその場の全員が納得の表情
なんだかんだ乗り気になってるじゃん、サスケ
「きゃー!流石サスケくん!冴えてるっ」
ちゃっかり抱きついてハートを飛ばすサクラ
『はーい、その続きは二人の時にやってくださーい』
「なんだミツバ、寂しくなったのか?オレがいるじゃないか。それともまさか!サスケに嫉妬か?!」
『…………』
かける言葉も見つからない、冷たい視線のみを送りつけ本題に戻る
『確かに!カカシ先輩は遅刻魔だったね!!』
「あれには何回被害にあったか数えきれないってばよ…」
「今考えたらよく我慢してたわよね!私たち!」
それからあーだ、こーだとカカシ先輩に合いそうな条件を出していく内に大体の女性像は定まってきた
結局カカシ先輩含む男四人と条件を満たした女四人とで飲み会を開くことにした、要するに合コンだ
『よし!じゃあ今話したような女の人を私たち女性陣が一人ずつ連れてくること!人数合わせで私は二人連れてくるよ!』
「んで、オレたちは盛り上げ役で参加すればいいんだな!」
「ナルトくん!頑張ってね!」
「チッ、めんどくせぇ」
「サスケくん…他の女に揺らがないでね?」
「……っ!(くそっ…揺らぐわけないだろ…)」
「オレも参加するのか?」
『当たり前じゃん』
「サクラみたいな心配はないのか?」
『うん』
「ミツバはオレが他の女に惚れられてもいいのか?」
『じゃあ、逆に聞くけど、イタチは私以外の女に惚れるかもしれないの?』「それはない」
『よし、じゃあ盛り上げ役お願いね?』
「あぁ」
丸め込まれた気がするが、、、
愛する妻の頼みだ、仕方ない
借りはしっかり返してもらうとするか
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