「パパはやくー!」


手招きをし振り返りながら走るハズキ

「こらハズキそんなに走ると…」
「うわッ!!」

ードテッ!


「…っ、…た、い……」


「大丈夫だハズキ、頑張れ」

少し膝を擦りむき泣くのを必死で我慢してうずくまる


『ハズキ!お兄ちゃんになったんでしょ?頑張れ!』


母の声に顔を上げ、母の腕に抱かれた小さな存在を見つけるとすくっと立ち上がる


「ハズキ!ないてないよ!だってイチカのおにいちゃんだもん!」


『ハズキー!偉いねー!かっこいいよ!』


近くに行き頭をワシャワシャと撫でる
半年前ではあり得ない光景
腕の中の小さな存在はこんなにもハズキを強くした


「イチカー!にいにかっこよかったー?」


私の腕の中で兄の顔をじーっと見つめハズキの顔に手を伸ばす小さな命

4月26日 2850gの女の子
名前はうちはイチカ
とてもかわいい産声を上げ
うちは家の一員となった






そしてまだまだ嬉しいお知らせが


ーガラガラッ

「ただいまーーっ!」
「ただいま」
『ただいま帰りました!』


「お帰りなさい」
「ミツバさーん!お帰りなさい!ちょっと聞いてくださいよ!」


そう言ってうちは家の玄関に出迎えてくれたのはミコトさんとサクラ
サクラの腕には小さな命が抱かれている

名前はうちはサラダ
イチカの三か月後に生まれた女の子



『どうしたの?』


「サスケくんったら!オムツの替え方が変だって言うんですよ!!」

どうやらよくある夫婦喧嘩のようだ
几帳面なサスケと大雑把なサクラとの感覚の違いが原因かな?


「だから!イタチさんとミツバさんが帰ってきたらどっちが正しいか聞いてみようと思って!!」


フンッと鼻息荒く喋るサクラの後ろから現れたサスケ


「お前が大雑把すぎるんだ、兄さんもそう思うだろ?」


毎日のように繰り広げられる夫婦喧嘩を横目にクスクスと笑うミコトさん


「まぁまぁ、落ち着いて!とりあえず中に入りましょう!話はそれからね!」


そう言って二人の背中を押すミコトさん

サクラちゃんも私も産後ということでうちはの実家でお世話になっている
今うちは家は二世代三世帯の大家族だ






「さっきからそこがおかしいって言ってるだろ」
「この方法が一番効率がいいの!」


居間に入ると未だ続いている夫婦喧嘩


「またか、、」

お風呂から上がったフガクさんは呆れ気味にいつもの場所に座る

『じいじー!』

フガクさんが座ったところを見計らい膝に乗るハズキ

特に言葉はないが表情が和らぎハズキの頭に掌をおくフガクさん
そして嬉しそうなハズキ


台所からはミコトさんが夕飯の準備をしている
イチカをイタチに渡し準備の手伝いをする


イタチはというとイチカにベッタリで溺愛している
最近少しだがお座りができ始めたイチカを膝に座らせ
笑わせようと必死でいないいないばぁをしている



ここ最近こんな感じでとても賑やかな毎日だ
みんな新しい生活に戸惑いながらも楽しく過ごしている
これからの素敵な未来を夢見ながら

新しい日々

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