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「やはり祭りは人が多いな」
まっすぐ歩くのも困難な程の人混みからイタチとハズキを見逃さないようについて歩く
「ミツバ、はぐれるなよ?」
私の必死さに気がついたのか差し出される左手
『もっと早く気づいてよねっ!』
迷うことなく自分の右手を重ね、ちょっと拗ねたフリをしてみると
フッと笑い繋がれた手を強く握ってくれるイタチ
『イタチこそはぐれないでよー?』
冗談混じりに言い手を握り返すと
あたりまえだ、と自信有り気な様子
花火を見るのにいい場所がなかなか見つからず、さらに人混みを進んでいると
「イタチか?!」
「?」
声の主を探すが人が多すぎて見つけることができないイタチ
「どこ見てる、こっちだ」
「?!」
「久しぶりだな!」
「シスイ!?」
そこにはうちはシスイが立っていた
竹馬の友 「本当にシスイなのか?」
「なんだ、親友の顔も忘れたのか?」
「まさか。任務無事終わったんだな、いつ帰ってきた」
「一昨日だ、2年分の報告書やっと終わったよ。ん?その子もしかしてハズキか?!」
イタチに抱かれ二人のやり取りを見ていたが急に自分に注目され固まるハズキ
「ああ、ハズキあいさつは?」
「………。」
パパの服をギュッと握りモジモジし始めるハズキ
『ほらハズキ、こんばんはでしょ?』
「ハハハ!いいよミツバ、気にするな!なんたって2年ぶりだからな!あの時は赤ん坊だったし初めて会うも同然だ」
「ハズキ君、オレはうちはシスイ!パパの親友だ」
「しすい?」
『こら、シスイさんでしょ!』
「いいよ!そーだな、ハズキからしたら、、、シスイおじちゃんだな」
「シスイおじちゃん!パパのおともだちなの?」
「ああ、そうだ!仲良しのお友達だ!ミツバも久しぶりだな!」
『シスイさん、お久しぶりです!無事に帰ってこられて良かったです!』
「大げさだな、イタチはしっかり父親してるか?」
『はい!たまにどっちが子どもかわからないくなりますけど、、、』
「おい、それはどういうことだ」
「なんとなく分かる気がするな、ミツバ頑張れよ。いざとなったら頼りになる男だ!オレが保証する!」
『はい!!』
「おっと、そろそろ行かないとな。またな、イタチ!ミツバもハズキも!」
「ああ、次は甘味処でゆっくり話しでもどうだ」
「もちろんイタチの奢りでな!」
そう言って人ごみに消えて行った
「相変わらずだな」
『シスイさん帰ってたんだね!』
「あぁ」
そう頷くイタチの顔はとても嬉しそうだった