『しのび…?』

「そうだ、まさか知ないのか」

『いや、しってますけど、忍って手裏剣とか投げるアレのことですよね』

「あぁ、持ってるぞ。手裏剣」

ほら、と磨き上げられたソレを見せびらかす男

『え』

もう何が何だかわからない
もしかしたらアレか!○○城や○○村にいる忍者のスタッフか!それならなんとなく納得できるぞ!うん!


『よーし!わかりました!』

「何がだ」

『どこのお城のスタッフさんですか?それとも○○村?その手裏剣も作り物でしょ?投げれるんですか?』

「城?村?よくわからんが手裏剣は投げれる」

『へーじゃあ投げてみてくださいよー』
バカにしたように言い放つと

ーシュッ カンッカンッカンッ

『え』
何が起こったのか気づいた時にはよそ様の家の塀に手裏剣が3つ突き刺さっていた

手裏剣と男を交互に見る
開いた口がふさがらないとはまさにこの事だ

『ちょっとおおお!何してくれてるんですか!よそ様の家の塀にいいい!』

「お前が投げろといったんだろ」

『まさか突き刺さるとは思わないだろ!』

もう頭がついて行かない、何者なんだこの男は?!
ブツブツ言いながら考えていると

「早くお前の家に案内しろ、起爆札を回収に行く」

はっ!そうだった!何やら爆発する謎の紙を家に仕掛けてるらしいではないか!早く我が家へ帰らねば!!


笑えないぜ


「よし、これで全部だ」

家に着くなり玄関で
ここを動くな、迂闊に触ると爆発するぞ
と脅され立ちすくんでいると、本当にペラペラの紙を回収してきた男
よく見ると紙には《爆》と書いてある
もう本当に怪しすぎる、ただの忍者好きのコスプレイヤーには思えない

『あのー、さっきの話の続きなんですけど…あなは本当に何者なんですか』

「忍だ、と言っただろう」

『それはわかったんで(いや今も理解してないけど)、その忍さんがどうしてこんなところにいるんですか?』

「それが俺にもわからなくてな」

『え?』

まぁここで話すのもアレだ、中に入って座るといい
とか言ってますけどココ私ん家ですからね!と思ったが言われるままリビングに入り男の向かいのソファに腰を下ろした
すると男は淡々と話し始めた

「俺は弟のサスケとの戦闘中にサスケが放った雷にうたれた、そして気がつくとこの部屋に倒れていた」

サスケ?戦闘中?雷?全く話が繋がらないがうんうんと話を聞く

「俺達の居た世界とこの世界はどこか違うようだ、身なりや街並み色んなものがな。どうやら俺は違う世界迷いこんだらしい」

え、えええええ
そんな事ってあるんだろうか
雷に打たれて時空越えるどころか世界越えちゃったってか、笑えない
でも男の言っている事を全て否定しきれない自分に笑うしかない


『ははは…やっぱ笑えない』

「さて、困ったな。どうやって戻ればいいんだ」

もう一度雷に打たれればいいのか?なんて言ってる男を上から下まで見ると大分汚れている、しかもよく見ると怪我をしているようだ
たしか戦闘中になんとかと言っていたからもしかしたら本当にこの男は異世界から来たのかもしれない

『あの〜、とりあえずお風呂入ったらどうですか?入るんだったら貸しますけど…』

「?!」

『え、なに』
目を見開いてこちらを見る男
何か変な事を言っただろうか

「なんだ、急に親切になったな」

『なんだ、やたら失礼だな』

人の親切心をバカにしてるのか!

『入らないんだったらいいんです』

「いや、ここはお言葉に甘えさせてもらおう」

結局入るのかよ!
何故こんな展開になったのか
まぁ、自分が悪いのだが謎の男の為に湯船にお湯を張りに行った



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