「そのような事件は起きていませんが」


『え?』

「○月△日ですよね、不法侵入事件はありませんね」

『え?』

えええええええええ!?
嘘だろおい、涼しい顔して書類をペラペラめくるコイツはあの日の出来事全てが夢だったと?!

『イヤイヤ!そんなはずないでしょ上の人出しなさいよーっ!』

「落ち着いてください、他の方への迷惑になります」

落ち着いていられますか!!
周りから感じる冷ややかな視線
何!この状況!私がおかしいのか?!
念のためもう一度聞くが
そんな事件はないの一点張り

ついに頭もおかしくなったのかとトボトボ警察署を後にした


真実はいつもひとつ!



帰り道、もしかしたら何か都合が悪くなって上の人がもみ消したのかもとか思ったりしたがそんな大きな事件でもなかったし、あるとしたらあの男が国の重要人物だったとか?!もしくは……『殺されたとか?!』

「人を勝手に殺すな」

ぎゃあああ!やっぱおばけだったああああ!!

『南無阿弥陀!南無阿弥陀!悪霊退散!!』

「人を役所に突き出しておいて悪霊呼ばわりするとは大した度胸だな」

『え、生きてる』

「当たり前だ」

『い、今!役所に突き出してって言いましたか?!てかあなたが居る時点でこの前の事件があったことは事実…やっぱアイツ嘘ついてたな!上がもみ消したか!!』

「一人で喋るな、意味がわからん」

『まってまって!あなた外にいるって事はやっぱり国の重要人物?!』

「なんの事だ」

『しらばっくれてもダメですよ、あなたの素性は分かってますから』

「ほぅ、面白い。なら当ててみろ」

『あなたはウチに不法侵入しましたね、そして私が警察に通報したけど逮捕されなかった。それはあなたが国の重要人物だから警察が容疑をもみ消したんです!』ドヤッ

「フッ。見事なドヤ顔だな、だがハズレだ」

『じゃあ何だって言うんですか!!』

「幻術をかけた」

『げんじゅつ…?』
なーにを言ってるんだこの男は

「何故あの部屋に入ったのかとあまりにもしつこく聞いてくるからな」

目が覚めたらあそこにいたのだから何故と言われてもわかるものか

とぼやく男
え、目が覚めたら家に居た?
とぼけるのも大概にしてほしい

『あ、もう、いいです』
さようなら〜とその場を離れようとすると

「待て、もしもの為にお前の家に起爆札を仕掛けておいた」

『きばくふだ…?』
さっきから訳のわからない単語を…

『なんですかそれ』

「爆発する紙だ」

こ、この男テロ集団の一員だったのか!!
『なんてもの仕掛けてるんですか?!どうにかしてくださいよ!もう一回警察突き出すぞ!』

「安心しろ、今から解除しに行ってやる」

『当然ですよ!いったいあなた何者なんですか!』

「俺は忍だ」

『は?』



ますます謎が深まるばかりだ



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