「え〜、大法廷は15名全員で構成され、15裁判官は第1〜第3小法廷のいずれかに…………」

あぁ、なんて心地よい子守唄……
単位が足りず仕方なく取ってしまった法学も昼寝の時間だと思えばこれほど幸せな時間はない……あともう少し…



「…名前、……名前…」

んー、誰かが呼んでるー…

「名前…名前ってば!」

『えっ!!』
ガバッと起き上がるとパラパラと教室から出て行く学生たち


「ったく、いつまで寝てんのよ。講義ちゃんと聞かないんだったらノート見せてやんないわよ。」

とサラッと恐ろしいことを言うのは友達の友達
高校からの友達で頭が良すぎてなんで私と同じ大学にいるのか全く理解できない。親は医者で俗に言うエリートってやつだ!

『えええ、お代官様それだけはご勘弁を!!』

「今度お昼奢ってね、それでチャラ」

『へい!』

こうしてなんとか命のノートを繋ぎ留めた


おばけなんてなーいさ


夕飯の材料を買って颯爽と我が家へ帰る

ーガチャ
ただいま〜と言いながら電気をつける


「おかえり」

『………』
え?
今、おかえりって、え?

部屋を見渡すが誰もいない
当たり前だ、だって私一人暮らしだもん


『空耳か、こんなハッキリ空耳聞こえたの初めてだ』


一人暮らし2年目で寂しさのあまり聞こえてはいけない声まで聞こえるなんて、終わったな
なんて思いながら買って来た材料を冷蔵庫に入れようとゴソゴソ袋をあさっていると

「おい、人の声を空耳で終わらせるな」

『………』

いや、やめてくれよ
私そういうの信じないから!自分の見たものしか信じないから!おばけなんてなぁーいさっ!おばけなんてっ

ーぬっ

『ぎぃやぁぁぁぁ!!!!』

人が!人が天井にぶら下がってるうううう!!!
目の前には突如天井から現れた逆さまの男の顔

「うるさい、騒ぐな」

『これが騒いでいられずにいれますか!!』

しまったあああ!オバケと喋ってしまったあああ!呪われるううう!

一人でもがき苦しんでいると

「おい、お前、ここは何処だ、サスケは何処だ」

『ひぃっ』

また喋った!ダメだやっぱ見なかった事にしよう、私は何も見てない聞こえない
再び買ってきたものを袋から冷蔵庫に入れ始める
すると首元にヒヤッと冷たい感覚が

「ここは何処だと聞いている、答えなければお前を殺す」

いぃぃやあぁぁぁ!これ本当にヤバイやつじゃん、悪霊とかそーいうのだよね、ごめんなさいもう悪いことしません、法学の講義もちゃんと聞きますから!頼むから成仏してえええええ

『南無阿弥陀、南無阿弥陀、南無阿』「おい、聞いているのか」

『はいっ!聞いてます!すいません!すいません!南無阿弥陀!!』

「ここは何処だ、何度も言わせるな」

『こ、この世です…』

「おちょくってるのか」

『ヒィィ!すいません!』
刃物がギランと鋭く光る

『私の家です…』

「お前の…?」

とブツブツ言いながら考え込む男
ふと足元を見ると、ん?足が生えてる
というか私と同じように地面に立っている
今まで混乱してて気がつかなかったが半透明なわけでもなく、周りに火の玉も浮いていない
こいつ…もしかしてただの不法侵入者じゃないのか…?いやでもどちらにしても私の身が危ないのは確かで、実際この男は刃物を持ってる
まずは身を守るのが最優先だ

『あ、あの…』

「なんだ」

『この、物騒なものどけてくれませんか…』

「それはできん」

『いや、本当に抵抗しませんから、何も持ってませんから…ね…?』
そう言って両手をあげる

それを確認したのか男は刃物を下ろし私を解放した

「そのままじっとしていろ、俺はここを調べる。少しでも変な動きがあれば殺す」

『はひぃっ!』
そう言って私が動かないのを確認すると部屋を物色し始めた

部屋中をジロジロと見渡しちゃっかり引き出しも開けている、そこは下着があるのに!もしかして下着泥棒か!?と考えていると寝室まで調べあげた男が戻ってくる

「不審なものはないようだ、忍びではないな。よく見ればチャクラもない。俺とした事が気が動転して簡単な事にも気がつかなかったすまない、楽にしてくれ」

『は?』

何やら訳のわからない単語をつらつらと並べ喋る男
とりあえずわかったのは私に謝罪をしている
なんだこいつ、よく見たら全身真っ黒いマントに鉄のついたハチマキ
明らかに普通の人ではない
まだ油断はできない

『あ…あの、外に行きません?』

とりあえずコイツを家から出さなければ、何かあった時助けもこない

「何故だ」

うん、そうなるよね

『と、とりあえず…?』

「サスケも探さなければいかんしな、いいだろう」

なんかノッてくれた、意外
もしかしてバカなのか?
部屋を出てマンションの玄関まで下りる

『あの、ちょっと(警察に)電話してもいいですか?』

「かまわん」

うん、やっぱりバカだ
このまま警察が来るのを待とう





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