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みーん、みんみんみんみーん
みーん、みんみんみーん
『…………』
みーん、みんみんみんみーん
『…………』
みーん、み『うるさーーーーーい!』
なんなんだ!このうだるような暑さ!
そして耳を刺す煩さ!!
五月(ごかつ)蝿(はえ)
と書いて五月蝿い(うるさい)と読む
がこれでは 八月蝉い だ!
なんなんだこのイライラする虫たちの合唱は!
普通虫たちの合唱ってりんりんりんとか涼しげなやつだろ?!
どーなってんだ今年の夏はああああ!?
五月のハエより八月の蝉
「うるさいさわぐな、余計暑いだろう」
『いや、なんで隊長ウチにいるんですか。帰ってくださいよ。人口密度増してさらに暑いんですよ。この暑さも隊長のせいですよ。』
と、団扇片手になぜかウチにいる変隊長
「いや、父さんがな、うちはなのだから夏は団扇だけで過ごせとエアコンを入れてくれんのだ」
ええ!あのフガクさんそんなダジャレ地味たこと言うのか?!
まぁ確かにエコだが
あの堅物な表情から出るその言葉
寧ろ生で聞いてみたい。
『てか、うちは家の決まり事でウチを巻き込まないで下さいよ。ヨソはヨソ、ウチはウチ!てお母さんに教えられたんで、てことで帰ってください』
今年の夏中居座られたらたまったもんじゃない、てか任務行けよ!暇人か!
「こんな涼しい別荘を持っているのにわざわざ帰るバカが何処にいる」
『………、突っ込むのも体力使って疲れるんで辞めます。』
「やけに素直だな、ところでこのエアコンもっと涼しくならないのか」
リモコンをピコピコ触ってる隊長
あーもう好きにしてくれ
動くと暑いから放置します
ーヴィィィン、ガタ
「…あ」
『………』
『え、今変な音しましたよね?!しかも …あ て言いましたよね?!どこ触ったの?リモコンのどこ触ったの?!え、エアコン動いてないじゃないですか!何してくれてるんですかぁぁぁぁ!!』
「うるさいさわぐな、エアコンにも休憩が必要だ、しかし困ったな涼む別荘が一つ減った」
いや意味わかんないし!
エアコン壊したのこいつだよ!!
あなたより私の方が困るんですけどおおおおお!!
いや、しかし落ち着け名前
ここで取り乱したら体力を消耗し余計に暑くなるだけだ
だてに忍はやっていない
よし冷静になれ
『ふぅー…』
「おい、よくそんな冷静でいられるな。エアコンが壊れ『誰のせいだと思ってんだぁぁぁぁぁ!!!』ぐはっ」
結局、取り乱してしまった
隣に横たわる隊長を横目に
今年の夏の死亡フラグがたったと悟った瞬間だった
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