彼は今日も彼女に嘘を吐きます。だから彼女も彼に嘘を吐くのです。
「銀ちゃんなんて嫌いだよ」
「ふーん」
「…嘘、大好きだよ」
「そうかそうか」
ソファーに座りながらジャンプを片手に私の話を興味なさげに聞きながら、私の頭をポンポンと叩く。
私は知ってるんだ、その手が汚れていることを。
「銀ちゃん私の事すき?」
「当たり前だろ、そんなん」
「何番目に?」
「お前が1番に決まってる」
嘘つき。卑怯者。
そんな事も言えずに、「ありがとう」なんて言ってる自分が1番卑怯者だった。
嘘にウソを重ねて、
101126
*PREV NEXT#
Bookmark:namechange