自信

「あ、あぁあ赤司くん!それくらいできるからっ!」
「いや、いいよ。僕がやる」
「で、できるってばぁ!」


「また、やってるよ」


苗字名前。ただいま、赤司くんに資料整理をされています。
今日は、お昼は膝に乗せられてお弁当食べてた。ついでに言えば図書室で高い場所にある本までとってくれて、昨日は少し前に雑誌に乗っていた可愛いイヤリングをくれた。


「私そこまでされる必要のある人間なのかな……」
「え、名前そんなこと考えてたの?」
「だって私とりわけ可愛いとかそういうのじゃないし。さつきみたいにボインじゃないもん」


ちょーっと時間があれば会いに来てくれる赤司くん。でも、私にはそんな価値ないんじゃないのかなっていつも思っちゃう。だって、赤司くんはカッコ良くてモテモテで。私なんかそこらへんにいる平凡な女の子。


「まったく住んでる世界が違うもの」
「そんなことないわよ〜。名前はちゃんと可愛いんだから!」
「嘘だ……」


項垂れる私の頭をさつきが叩く。結構痛い。


「何で叩いたのー、痛い」
「ごめん、つい」
「つ、ついって……」
「だって、名前が自信ないのが悪いのよ」
「桃井、名前、何の話をしてるんだい?」


首に回されたその腕。こんなスキンシップしてくるのは赤司くんしかいない。赤司くんと付き合い始めてから青峰くんとか黄瀬くんとか無用意に触ってこなくなったからなぁ。何でだろう。


「赤司くんの話」
「おや、それは興味深いね、ぜひ聞こう。ほら、名前立って」
「ひ、膝に乗らないよ?」
「乗るの。ほら、立つ」


脇の下に手を挿し込まれれば飛び跳ねてしまった。その瞬間を赤司くんが逃すわけなく。手を引かれて立たされてしまった。私の弱点は脇腹である。ちなみに膝の皿も結構効いたりするからできれば赤司くんにも触らないでといいたいけど、言えない。膝枕して寝てる赤司くんを起こそうとするなんてそんな罰当たりなことする筈がないでしょう?髪の毛が膝をかすっても耐えるしかない。だって赤司くんの寝顔可愛いんだもん。


「重いよ?」
「重くない」
「私その、椅子に座りたいなぁ、なんて?」
「ほら、おいで」


結局こうやって何をしても、甘やかされてしまうのです。
その後、さつきの話が終わるまで赤司くんの膝に乗ることとなった。


「で、話の続きをどうぞ?」
「え、いや、あのね、赤司くん」
「名前が自信ないんだって」
「何の?」
「さ、さつき!」


咎めるも意味はなく、そのまま話し出してしまったさつきは止まらず。赤司くんに話してしまったのだ。


「赤司くんの隣にいる自信」
「……桃井、席を外してもらっても構わないか?また後で話してくれて構わない」


確実に怒ってる!さつきの馬鹿!いらないこと言わなくていいのに、いいのに言うから赤司くんが怒っちゃったよ。
はいはーいと楽しそうな声を上げて教室を出ていったさつき。赤司くんと二人きりで、しかも膝乗り状態でいるのが気まずくて立ち上がろうとすればお腹に回された腕にがっちりホールドされており、意味をなさなかった。


「名前」
「は、はい」
「好きな人の隣に立つのに自信というものはいるのか?」
「へ?」
「僕は名前に隣に立っていてほしい。そんなことで悩まないでくれ」


後ろを振り向くと頬に当たった赤司くんの唇。熱が集まるのがすぐにわかった。
赤司くん、こういうことを簡単にしてしまうから、恥ずかしいんだ。心の準備ができないから。


「でも、」
「構わない。僕は名前に立っていて欲しいんだから」
「本当に?」
「僕が嘘をつくとでも?」
「いいえ」


体ごと横に向けて赤司くんの肩に頭をコツリと当てる。腕を伸ばして赤司くんを抱きしめ返した。


「名前、好きだよ」
「私もです」


こうやって甘やかされている私は赤司くんから一生離れることはできないんだろう。
だって赤司くんがいなきゃ私は何にもできないから。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
あかる様!
随分長い間お待たせしました!私に甘甘の展開は書けない!すみません……うまく書けなかったです。
これからもおねがいします!そして、お持ち帰りはあかるさんonlyです。

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -