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「大丈夫だったのかよ?」


ジェットコースターをさんざん乗りまくった後、青峰くんが近寄ってきた。実は全てにおいて死にかけていた私は何度も凛に俵抱きされたという黒歴史があったりする。


『?ああ、やばかったけど凛が運んでくれたし、さつきちゃんが水買ってきてくれたし……あ、さつきちゃーんお金お金!』


「えー?いいよいいよ!そんなの気にしないで」


『でもっ』


心配してくれた青峰くんはえらくヘタレな顔をしていた。
そんな顔されたらこう、何て言うの?抱きしめたくなるというか、母性本能が働くというか。


だって泣きそうなんだもん。


『ていうかお腹減ったぁ』


「お前、さっきまで吐きそうだっただろうが。平気なのか?」


『凛、私の胃袋嘗めるなよ?』


これまた心配そうに私の頭を軽く叩く凛に倍返しをしてやったらまた叩かれるというエンドレス攻撃をうけていた。


「お腹減ったの、棗ちゃん」


『うん。まぁね』


「確かにもう12時になるのだよ」


「本当だね。どこか店に入ろうか」


「ふっふっふ!そういう時のための女の子でしょ!じゃーん、お弁当!」


「!さつきてめぇ、あんなに作ってこなくていいっつったのに!!」


「いいじゃん!ね、テツくんっ」


「え……あ、はい……」


あ、さつきちゃんがお弁当作ってきてくれてたんだ……うん、やはり女子力高し。

って言っても勿体無いな。


『青峰くーん、カバンカバン』


「あ?ああ、ん」


『バスケ部はさつきちゃんの食べる?こっちはこっちで食べるけど……』


「何、ナツまた作ってきてくれたの?」


『うん。早く起きれたから』


真琴が嬉しそうに笑ってくれるので私も嬉しくなるよ。真琴は幸せそうに作ったもの食べてくれるから好き。


きっと結婚したら手料理を毎日食べさせてあげようと思えるほどの笑顔で食べてくれる。

ナギは結構騒がしくて口うるさい。
今日はこれ味薄いー、とかゴマ入れすぎじゃない?とか言ってくるから嫌。

ハルは無言でたまにうまい、って、言ってくれるからいいものの……凛が、凛が酷い。

取り敢えず何も言わない。赤くなったりしながら食べるもんだから不味いのかな、とか不安になる。その割には食べるけど。


「お、おい!」


『ん?』


「一緒に食べませんか?」


青峰くんと黒子くん、珍しく赤司くんまで汗を流しながら真っ青な顔でこちらを見てくるのだ。
既にきーちゃんは半泣き。何かされたのかな?


「いいよ、食べよう。一緒に食べた方が美味しいよね?」


真琴が私のお弁当を持って皆に近付く。


「そ、そそそうなのだよ!」


『緑間くん、どうかした?』


「なんでもないよねー、みどちん」


「あ、ああ」


「桃井、大輝、場所を探してきてくれ。俺らも探すよ。あったら連絡してくれ。では解散」


パッパッと仕切ってくれる赤司くんがいると案外すぐみんな行動してくれるしすぐ終わる。
意外とこういうのは好きだ。


さつきちゃんと青峰くんが去っていったあと、赤司くんと黒子くんに手招きされる。


『何?さっきからみんなして』


「さつきさんの料理は……人間業じゃなせないものです」


『それだけ美味しいの?』


「いや、反対だ。天と地がひっくり返るほど不味い」


『て、天と地……どんだけ?』


「あ、あの顔から繰り出される物じゃないっスよあれは……」


きーちゃんが身震いをしながら顔を真っ青にしていた。
後ろを見ると真琴が真っ青だった。


『真琴……?』


「こないだ、差し入れにってレモンのはちみつ漬けをもらったんだ」


『え、何それ、聞いてないよ』


「何故だろう、開けれなかったんだ。生暖かくて何か不思議な匂いがしてね」


「あ、開けなくてそれ良かったパターンっスよ多分」


「多分まこちん、驚いて気絶したんじゃない?カルチャーショックで」


「……桃井のレモンのはちみつ漬けはレモン丸々入っているのだよ」


「あれはレモンのはちみつ浮かべだよねー」


まいう棒バリバリ食べながらノホホンと言わないでよ。


「あの青峰っちでさえ一回保健室行きしましたもん」


それってやばいよね?やばいよね!?


「赤司も一度固まってそのまま動かなかった日があった」


「……ああ、思い出しただけでヤバイよあれは。っぅ……」


どれだけ酷いんだろう?
そこまで言われると反対に気になるよね。好奇心ってやつだよ好奇心。


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