1『疲れた……』
今日の講義は眠たかったし、寝てた。それにぼぅ…としてしまった。いや、寝てたんだけど最初のほうの話しね?
『う〜ん、取れないな……』
そんなわけで寝ていたぶん取り戻そうと図書室に一人できているわけなのですが……何分少しだけ身長が小さい私にとって既に9段目にある本を取るのは辛い。
背伸びしても届かなくて。
ジャンプしてみた。
ガッ!
『っあ……!』
手が当たったのは違うところで、本が私に向かって落ちてくる。
頭を守っても遅くて落ちてきた。
『いっ!!?』
「……」
『ったぁ〜……』
「……大丈夫なのか?」
「う〜ん、多分大丈夫じゃないよね」
後ろにwwがつきそうな勢いで言わないで、紫くん。
て言うかおっきい。それに心配してくれたのは目の色が……赤と黄色?不思議な人だ。
『あは、は。気にしないで。うるさくしてごめんなさい』
立ち上がって目当ての本だけ違う場所に置いてから本を拾い上げる。
横から伸びてきた手に驚く。
『へ?』
「手伝うよ。君の身長じゃあ届かないだろう?」
『……まぁ』
この人ズバッと言う人だなぁ。
身長が小さいのは結構きにしてたりするんだけど。
「ほら、敦手伝え」
「ん〜、めんどォー」
「ほら」
『あ、ごめんなさい。あ、それ場所が違います。それはもう1つ右です』
「?」
赤黄さんが不思議な顔をして私を見る。
ああ、場所をいちいち覚えているのが不思議なのかな……。
『私、モノを覚えるのだけはいいんですよ。あ、それはそこです』
でも3日くらいしたら忘れちゃうし、意味ないんだけどね。だからテストは詰め込み型。
抜き打ちとかされたらボロボロなのは当たり前だし、数学とか英語とか、化学とかは覚えるのしか出来なかったからいつも50点止まり。
もちろん世界史とかは満点に等しかった!
「ああ、見たことがあると思ったら七瀬か」
『……なんで知ってるんですか?』
「桃井からたまに君の話を聞くしよく一緒にいるね」
最後に本をしまった赤黄さんは私の方を振り向く。
多分この人笑ったら可愛いのに。てか紫くんまいう棒食べてて何もしてない……。ああ!私、結局手伝わせちゃったなぁ。
『さつきちゃん?あ、そっか明石家さんですね』
「ナツちん、芸能人だよそれ。赤ちんは赤司だし」
『……あれ、明石家さんじゃなかったっけ?』
「君は人の名前を覚えるのが苦手だともきいている……」
ごめんなさいと一言謝って目当ての本を取って頭を下げる。
『紫くん、赤色くん、ごめんなさい。ありがとう』
「赤司だ」「紫原だし」
ごめんなさい。
『ありがとね〜、ホント!助かっちゃった。それからまいう棒は図書室で食べちゃダメ』
手でバツを作って笑う。私はその場から立ち去る。
ああ、なんか最近カラフルな人達に会うなぁ。
でも、紫原くんと……あか、あ、あかし?さん?は覚えれそうだ。
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