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『……どこでする?勉強会』


決めていなかった事をパッパ、と決める。勉強会の場所は清志の家。
私はハルが来るからと違うマンションに引っ越しているためもうお隣さんではないのが悲しい。


「だりぃー……」


『受かったら合宿行って、そんで夏休みバスケ三昧でしょ?早くしちゃいなよ』


「わぁってるよ」


大輝は清志の家の場所を知らないため一緒に行くことに。
段々と気温が上がってくる季節。梅雨も終わり少々ムシムシする。まぁ、簡単に言えば暑い。


『暑いね……こういう日はプール入りたい』


そう、夏といえばプール。海じゃないよ、プール。私の中では海よりプールの方が存在が大きいから。
海も好きだけどプールの方が好き。理由は海は入った後ベタベタするから。海水は嫌いです。


「はぁ……マジだりぃ……バックレていいか?」


『アホかっ。大輝のための勉強会なんだからしっかりして』


赤司くんに絶対受からせるようにと釘を刺されたのは言うまでもない。


「あー、わぁったって。んな怖い顔すんな」


『アーホ。大輝がシッカリしてればこんなことにはならなかったんだ』


「悪かったよ……だけどFは流石にやばいよな?」


『うん。自分がどういう状況にあるのか、ちゃんとわかってね』


「ああ。わかってる」


本当ですか?脳内確かめたいよ、ホント。


「あの、すみません」


『ん?』


「ここまで、どうやって行けばいいかわからなくて……Googleの地図みてもわからなくて……教えてもらえませんか?」


そこに立ってたのは前髪で顔半分隠れた緑間くんとはまた違った美人の男の人。
彼の後ろには身長のバラバラな男性。約二名、異常にデカいんですけど。てか一人その中で見ると小さい……。


「あ」『え?』「あ……」「あ、アル」『ん?』「あ"?」「お?」


美人、私、小さい人、目細いデカイ人、私、大輝、ムサイ人。
どうやら大輝たちは知り合いのようです。


「あんた……紫原の相方じゃん」


「君は青峰くん。久しぶりだね」


「てか、何?彼女?」


『あ、や……そういうのじゃないです』


「あ、そうなのか?俺てっきり彼女かと思ったぜ。俺は福井健介」


『あ、宜しくお願いします。七瀬棗です』


「よろしく!
で、青峰。ここの道まで教えてくれねぇか?」


「はぁ?ってここ、紫原のバイト先じゃねーか」


地図を見せてもらうと顔をしかめる。

そんなにあからさまにしなくともいいじゃん。


「そうなんじゃ!タダ券をもろうてのぉ」


む、むさい!いかつい!デカイ!
大輝だって顔近づいてきた途端一歩引いちゃってるよ。でも流石にあの顔は私も近寄ってきたらよけるかもしれない。

ごめんなさい。


「案内してやりてーのは山々なんだが俺ら用事があるんだよ。そーゆーことで違う人に聞いてくれ」


『ねぇ、大輝。この道まっすぐ行ったところにマンションあるのわかる?』


「あ?あれか」


『そうそう。そこにきっと清志立っててくれるから一人で行けるでしょ?三歳児でもなし』


そう言ってメールを入れると了解と出た。これで大丈夫でしょう。

多分……不安だ。不安すぎる。


『不安だよ。……まぁ、信じてるからね。行ける?』


「てめぇ……俺は子供じゃねぇんだよ!」


(((ああ、わかる。ごめんなさい、その気持ちすごくわかる、不安だよな)))


『そんなの、不安に決まってるでしょう。Fとったんだから!』


「それもそうか」


そこは少しでも否定した方がいいと思う。


『じゃあ、清志によろしく。あとで行くから』


「済まないアル」


『いいですよ。行きましょうか』


大男連れて歩くのは緊張しますが頑張ろうと思います。できるだけ福井さんの隣にいようと思う。

彼、赤司くん的な身長だし。いや別に赤司くんがチビっていってるわけじゃないんだけどね。


「おー、気をつけていってこいよ」


『んー』


何故か仕事に行くお母さんが息子に送り出される時の心配している時の心情が良く分かる。

さて、行きますか。


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