2「あ、棗ちゃーん!!!!」
『うおっふ!』
「女らしい悲鳴をあげたらどうだい?」
やっと、紫原くんの重みから開放されたと思ったら……今度はさつきちゃんのおっぱいの重みで死にそうです。
すみません、何kgあるんですかおっぱいで。
『じゃなくて、さつきちゃんおーもーいー!』
「さつきさん、死んでしまいます七瀬さんが」
「何〜テツくん、ヤキモチー?」
「……違いますよ」
じゃあ、今のさつきちゃんを期待させるような間は何だろう。
ああ、眠たいな。寝ちゃえ……
「さーつきー!!!」
びっくりした。
大きな声で目が覚める。そこにいたのはえっと、クマじゃなくて、………
『ああ、アホ峰だ!』
「じゃぁかしいわ!誰がアホ峰だ、誰が!青峰だ!」
『貴方です。あ、青峰くんだった』
「いや、記憶力無さすぎだろうがよ!」
『うるさい』
「青峰っち!!!」
今度は何?黄色い彼だ。
ああ、プールの前にいて私のことを褒めてくれた黄色い犬さんだ。
何かいたよね、リラックスキャラでキイロイイヌ的なやつ。
「いや、違うからね。七瀬さんでしょ、君」
『ヤバイ、このモデルくん。ストーカーだ』
近寄ってきた彼を避けるために数歩後ろに下がる。
その度に間を詰めてくる黄色い犬。
やだ、キモイ。
「ああ、認めるぜ。コイツは確かにスニーカーだ」
『ねぇ、小学校行ってきたら?』
「言い間違えたんだよ!あーっと、ストーカーだよ!」
やばい、この人頭大丈夫かな?色々な意味で。
これでよく試験受けて児童入ったなぁ。
「あ、ナツちゃぁぁあん!!!!」
『ぶへっ!』
「な、渚くん、突っ込んだらいけませんよ!」
『我が生涯に一片の悔い無し……何ちゃって。久しぶり、ナギ』
「ひっさしぶりぃ!ていうか、囲まれてるね!イケメンだーみんな」
小学校、中学校と一緒だったナギ。真琴の次に幼なじみって感じ。
スイミングクラブでも、ちょっと仲が良かったりした。
「どの人がナツちゃんの彼氏ー?」
『バカナギ』
「いてっ」
「渚ー。早いよ」
「ったく、てめーはもうちょっと落ち着けバカが」
「……渚くん、すごい言われようですが……」
「あははー、いつもだから気にしないよ〜?」
そんなこというと哀れに思っちゃうよ、ナギ。
「それより、講義、寝てない!?平気!?」
『ナギは心配しすぎ。あ、君が竜崎くんだよねよろしく』
何か、さっき、似たような人の頭を拭いたな……。
てか、似てる!きっと性格も似てると思うんだよね。
「あ、はい。宜しくお願いします」
赤いメガネのブリッジを指の腹で押す竜崎くんは大きい。
まぁ、バスケやってるこのカラフル人たちよりは小さいかもしれないけどね。
てか、カラフルだね、私の後ろの人。
「おい、てめーら棗の彼氏とかじゃねぇだろうな?」
『凛、柄悪っ』
「うるっせぇ!」
よし、この際だから頭の中で整理しようと思う。
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