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『ハル、真琴!』


「おっ、来た来た。おはよう、ナツ」


『はよ、真琴』


鯖パンを食べ終わったのはついさっき。骨があるから慎重に食べていた。


早いのには変わりないけどね。


『ふぁ……眠い』


「いやぁ、懐かしいな」


懐かしいと言いながら懐かしむ幼なじみ。どうもジジ臭い。


『何が?』


「こうやって三人で学校行くの」


『……子供?』


発想が


「え、酷くない?」


「真琴、ジジ臭い」


「ハルまで?」


くすくすと兄妹二人で笑うのはやっぱり同じツボである。
と言うかハル、頭濡れてる……。また風呂入ってたのかな?


『ハル、頭は?』


「?ここにあるけど……」


『うん、また会話が噛み合わないなぁ……』


いいか、別に。春だし寒いかなって思ったんだけど……本人が気にしていなさそうだからいいや。


『ナギと怜くん?だった?は置いてきたの?向こうに』


「置いてきたって……渚と怜はものじゃないぞ……。
まぁ、本人たちがあっちがいいって言ったからね。いつか遊びに来るって」


『あ、そうなんだ?』


「ハルー、真琴ー、棗ー!」


『凛は来たんだね』


後ろからかかった声はハルから繋がりお友達になった凛。お友達になったってのは大分昔の話だけどね。
赤い髪を揺らして走ってくる彼はきっとイケメンの部類に入ると思う。
ちなみに、ハルも真琴もイケメンだと私は思う。うん、イケメンだ。


『はよー』


「おうっはよ」


ニコニコ笑う彼。
ハルによると高校二年生まではグレて荒れていたらしい。そんなもの微塵も感じられないけどね。


「お前、何で東京の高校行ってたんだよ」


『え?別に。理由なんてないよ』


「ふ〜ん。あ、それより今日から入れそうだろ、プール」


『え?寒くない?』




上京して四年、私は大学生になってまだ見ぬ世界を体感する


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