37話

テスト終った。いろんな意味で。鉄朗が結構ニヤニヤしながらどうだったと聞いてくるものの、何も言えなかった。ダメだったわけじゃないけれど、自信があるかどうかと言われれらない。ダレだってそうじゃないから余計にショックだ。

「#name1#ー」
「あ、先輩。どうかしましたか?」
「一年連絡回ってる?今日部活あるけど」
「あ、はい。来てます来てます!練習試合あるんですよね?」
「お、良かった伝わってて。それで相手校を迎えに行って欲しくてさ」
「はい、わかりました」

時間やら詳細を言ってくれた先輩は3年生で、すごく私のこと可愛がってくれてる先輩。私も先輩のことすごく好きで、よく後ろをついてまわってる。選手としてもすごく尊敬してる。

「#name2#ー、何て? 」
「ん?ああ、今日練習試合だよーって!伝わってるかって聞かれただけ」
「のわりには楽しそうに話してたじゃん」

つんけんした話し方だなぁ。何怒ってるんだか。

「迎えにいけーって言われたの。それに、先輩相手に無愛想に話しかけたらあとが面倒でしょ?」

これは、中学から学んだこと。私自身がしてたわけじゃないけれど、他の友達などが無愛想だからといって先輩に好かれてなかったのを覚えている。可愛くない、生意気など言われて後悔したのは彼女自身だろうけれど。

「ふーん、そんなもんか」
「そうそう、そんなもんだよ」
「ねぇ、梨花元気かな」
「唐突だな。……風邪だろ?後で連絡してやれよ」
「うん」

梨花が学校を休んでもう4日。風邪にしては長いし、テストも受けてない。そういうのちゃんとする子だったからちょっと驚き。私だってちゃんと連絡したよ。平気?って。そしたら大丈夫だよって絵文字付きで帰ってきたんだよ。
でも、学校には来ない。

「本当に、風邪なのかな」

もしかしたら私の体が丈夫だから1日で風邪は治って次の日から学校に通っていた。普通の人は4日ぐらいかかるのかもしれない。

「まぁ、長いよな普通に考えて。休む期間がさ」
「流石夜久、私が言いたいことわかってる」
「うーん、そんな深く考えるなって」

鉄朗がどうしてそんなに落ち着いていられるのかわからない。夜久も言ったように長いんだよ、やっぱり。

「何か知ってるの?」
「俺が?夜久でも知らないのに知ってるわけねぇじゃないですかー。#name2#は何を言ってるのかな?」
「ウザイ。知ってるなら教えてよ」
「だから、知らねっていってんだろ?」

デコピン痛い。何故か鉄朗の笑顔が嘘臭い、そんな気がした。

。。。

相手校の方々を待っているとバスが到着。その中には個性豊かな人たちが多いのは元から承知だったんだけど。

「ヘイヘイヘーイ!」

すごいの来た。
そう思ったのは私だけではないはず。

「いやぁ、ここが音駒かぁ!」

何とも言えない派手めな頭。白、とグレーかな。わかりません。後から来た先輩達に軽く殴られてるし。取り敢えず彼が同い年だってことはわかった。それから、二人マネージャーがいるらしい。白福雪絵ちゃんと雀田かおりちゃん。
なんと言うか、ド派手なメンツ。でもきっと強い。

「こんにちは、一年、マネージャー#name1##name2#と言います。案内させていただきます」
「ま、俺ら2.3年は何度か来てるからわかるけど、ありがとな!」
「い、いえ」

こういうのがちゃんとした先輩なんだろうなぁ。全く、羨ましいよ。

「さて、行くぞ」
「よっしゃぁぁぁああ!」
「木兎、少しは静かにしろ」
「はい!」
「うるせぇ」
「あだっ」

それでもなお騒ぐボクトくん……、ボクトってどんな感じ書くんだろう。墨汁の墨に北斗七星の斗?墨斗?後で教えてもらおう。
少し歩けばマネちゃん2人が来ていろいろ話してくれた。丁度いいや、墨斗(仮)くんのことを聞こうじゃないか。

「ねぇ、ボクトってどう書くの?墨汁の墨に、北斗七星の斗?」

二人して吹き出された。

「あはははは。木兎の名前すごくなってるよ〜」
「墨斗……凄い名前だね」
「いや、それしか思いつかなくて……かたじけない」
「ふふ、木兎は木の兎って書くんだよ。苗字は可愛いよね」
「へぇ……!」
「雪絵、苗字“は”って……」

花が咲く花が咲く。
話をする度に笑いが起きるのだから女子高生すごいなぁって思う。本当に箸が転がっても笑えるレベルなのだから、すごい。

「なーんの話してんだよー」
「噂をすれば、だね」
「あはは、だねー。初めまして、#name1##name2#です。木兎くんだよね」
「おう、木兎光太郎だ!よろしくな!」
「あ、うん」
「なぁなぁ、音駒って強いのか!?」

その問に私は真剣に考えた。考えた結果がこうである。

「あんまし?」

綺麗すっぱりそう答えてしまった。まぁ、そりゃあ周りにいた三人は固まるわけで。え?と聞き返されてしまった。

「俺、今聞き間違えちゃった?あんましって今……」
「言ったけど」

私の愚痴ではないけれども不満でもないとはいいきれないけれど、少しだけお話しようじゃないか。
三年生があまり来なくなってから2年生が牛耳ってること、練習もロクにしないのに先輩面するだとか、そういうことをこそこそっと話す。いい先輩だっている、でもダメな先輩の方が多い気がするのだ。そういう部活はダメになる。

「うーんだから、あんまし」
「そっかぁ……#name2#ちゃんも大変なんだねぇ」
「うん、結構ねー」

でもまぁ、始めようじゃないか。

「梟谷学園高校、到着されました」

それでも私は応援してる。そして、時期を待つの。黒尾鉄朗という男と私は全国にいく。それが例え私たちが3年生になろうとも。もし3年生だったらこんな部活じゃない、もっといい部活を作る。だから、今は負けても、それをバネにして強くなれ。
。。。
木兎さん登場。勝手に書いてしまってすみません。墨斗の下りが書きたかったんです
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