突然ですが、速報です。
今日、影山くんの誕生日だそうです
すみません、今知りました。とか言えない。いや、ね。谷地仁花ちゃんという超がつくほどカワイイ友人に聞いたのですよ。何で仁花ちゃん知ってるの。疑問に思ったのを許して欲しい。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……」
「う、うん、名前ちゃんがヤバイよ?平気?」
「うん、平気じゃない」
「真顔やめて!」
及川名前、危機でふ。危機すぎて噛んだわコノヤロウ。
「嫌だなぁ、共に帰りたくない」
「共って……」
苦笑いを浮かべる仁花ちゃんもまた可愛いよ。そういえば彼女はより一層笑顔をひきつらせてありがとうと言ってあたりを見渡す。しかも戦闘するかのようなポーズで。可愛いと面白いを兼ね備えた頭の良くて優しい仁花ちゃ、ごめん今はそれどころじゃないのだった。
「どうしよう、仁花ちゃん」
「もう、お手紙とかさ!」
「ヤケクソやめてぇぇえ」
「あ、あははは」
真剣に悩むよ。忘れてましたなんて言えないし、いやただの友人ですがそれでも、やっぱり私の中では彼は特別なわけで。私のプライドがそれを許さなかった。
「あいつ、まっすぐ言ってくるから言っちゃうんだよなぁ言いたくないのに」
「へ?」
「ああ、ごめん。こっちの話!でも本当にどうしよう」
まぁ、どうしようと言っていてもどうしようもないことなわけで。兄に相談してもバカにされるだけだろうし、嫌だ。絶対イヤだ目に見えてる。
ため息をこぼせば差し出されたチョコバー。
「当分補給でもしてください」
「ありがとう、仁花ちゃんマジ天使」
「口に出てるよー?」
「そのままいい案とか……」
「ない、なぁ」
誰かマジヘルプ。
「どうした、百面相して」
「ぴゃ!!?」
「あ、影山くん。どうかした?」
「名前に借りてたノート返しに来た」
「へ、あ、ああ。それね」
影山くんは決して私を苗字で呼んだりしない。多分それは兄がいるからだろうけど、それが実は嬉しかったりするのだ。別に私だけが特別だとか思ってるわけじゃない。ただ、私の心が少しだけポカポカするだけ。
「ん」
「はーい、もう寝るなよ〜」
「……無理」
「寝るな!」
「ほっとけー」
「また絶対ねるな、これは」
「どうどう……!」
寝てノート取れなかったら私にノートを借りに来ることはもう無くなっちゃうから寝て欲しいんだけどね。内心、最悪だな私。
「もう、言っちゃったらどうでしょう、名前さんや」
「……影山くん」
「ぁ?」
「今日知った。お誕生日おめでとう。本当にごめん、何も用意してない。何か欲しいものとかあるなら言って」
あ、私今絶対不細工。
「怒ってねぇし、仕方ねぇだろ。気にしねぇから、不細工直せ」
「心折れるわ、このストレートな言い方」
「お前」
「え?何?」
「ほ、欲しい、もの。お前だから……今日も一緒に帰るぞ」
君は女の子を期待させる天才かな影山くん。
「分かってる。待ってるからって早くしなくていいからね」
君の顔がどんどん赤くなってくのがすごく面白い。こういう顔も、するんだね。バレー以外で崩れるの、すごく嬉しい。しかも私のこととなれば余計に。
「バレーバカのくせして、バレー以外にも好きなものがあるなんてね」
「あ?月島なんか言ったか」
「別に何も。バカとしか言ってないよ」
月島くん、通りザマにそういう事言わないでよ。
耳まで真っ赤にした君が可愛くてついつい背中に飛びついてしまった。
「忘れてごめんね。Happy Birthday飛雄!」
今日も一緒に帰ろう。
。。。
飛雄ちゃん、お誕生日おめでとう!管理人はあなたと同じ日に生まれてこれたことを幸せに思います!この世に生まれてきてくれて、また古舘春一先生飛雄ちゃんを生んでくれてありがとう!