短編 | ナノ
この男、慎重につき


私の彼氏、と言えるのか不確かだが、彼氏と言っておこう。
彼氏はバスケをしてたら男らしいし、イケメンだ。でも、バスケをしていなかったらこうなる。


「うわっ!?」


「え、何?」


「ち、近くねぇか?」


「そうかな?」


彼が真剣にテレビを見ていて平気だと思って隣に腰を下ろせば後ずさられたりとか、間を開けられたりだとか。


「ん、何だよ」


「それ、美味しい?」


「美味いぞ。食うか?」


「いいの?」


自分であーんをしてから後で真っ赤になられたりとか、全力で謝られたりだとか。


とにかく彼は男の癖に女嫌いで、なんで私と付き合ってくれてるのかもわからない。
告白したらOKもらえたわけだけれども!良く分からないのが現状です。
こんな時、どうしたらいいのだろうか。彼の女嫌いは治るのかな……ここまで行くと私も傷つくんだけど。


「ねぇ、幸」


「んだ、よ」


「可愛い?」


「おま!?何でそんな短いのはいてるんだよ!」


おうちデートだというのにすっごいミニスカートを履いてみました。何で、と聞かれても何故だろう。自分でもわかんなかったりする。
とりあえず、触って欲しいんだよね。だって、彼から触ってくることなんてあんまりないし。


「で、可愛い?」


「ぁ、う……ぇ、」


「ねえってば!」


「名前の馬鹿野郎ー!!」


「へぇぇえ!?」


部屋からダッシュで出ていかれてしまった。
結局、私たちって何だろう。たどり着く結論はいつも同じ。


お友達


ちょっと仲良くなったお友達だよ。手も繋がないキスもそれ以上も何もない。


「ぅ……」


好きなの、私だけみたいじゃん。


「何で、何っで……」


ポタリポタリとベージュのカーペットを濡らしいていく。二つ、四つとシミが増えていつしか声も出さず、涙を流していた。
何で、そんな疑問しか浮かばなくて。


「おい、ごめ……おい!?どうした?何かしたか!?」


「バ、カ……私たち、お友達じゃないんだよ?なのに、さ。……恋人らしい事、なんにもしてない、んだよ?」


「ぇ……?」


「私ばっかり、好きで、幸は、違うの?……だったらこんな関係、やめ……ゆ、き?」


腕を惹かれて立たされてそのまま飛び込んだのは大きい彼の胸だった。
今まで何にもしてこなかった彼が、行き成りこんな事するものだから心臓がはねて。


「わりぃ、俺も……どうしたらいいか、わかんなくて」


肩を持たれて彼と向き合う。


「その、名前ばっかじゃねぇからな?俺も、その、名前のこと好き……だし」


真っ赤になりながらも私をちゃんと見てくれてるのが嬉しかった。


「キス、してもいい?」


「いつでもどうぞ!」


彼のせいで泣いたら、彼のおかげで笑えるんだ。


私の彼氏は慎重です。


「ん……」


「んっ、」


ベッドに体を埋めて恥ずかしがるまで後数秒後。

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テーマ「人外ファンタジー」
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