「征十郎様とはどういうご関係なのですか?」
「何歳ですか?」
「綺麗な髪の毛!」
「まぁ、素敵なドレス?誰がお選びになったの?」
『え、あ、……う、征十郎さんとは幼なじみです。7歳です。それから……ドレスは征十郎さんが選んでくださいました』
「まぁ!そうなのですか?あ、御両親は?」
『今は海外の方に行っております』
「へぇ〜、どちらに?」
『ドイツです』
大人の方々に話しかけられている私です。
征は忙しそうにおじさんやおばさんと話してるし、ほかの可愛い女の子に囲まれて笑ってる。
でも、あの顔は嘘ついてる時の顔。ちゃんと笑えてないよ。
『あ、あの、失礼します』
「あら、行ってしまわれるの?」
ペコリと頭を下げればニコニコと笑われながら送り出された。
でも、怖かったです。私、ちゃんと話せるの征と奥様しか話せないから。旦那様は怖くてお話できない。
「おい、大丈夫か?」
『せ、征……疲れた……』
「後少し頑張って。そうしたら部屋で貰ったものを二人で開けようか」
『!うん。楽しみにしてる』
「俺も、もうひと頑張りしてくるよ」
『うん、頑張ってね?』
「ああ」
手を振れば振り返してくれる征が大好き。優しくて、格好よくて。
私を拾ってくれた征。きっとあの時拾ってくれなかったら私は野垂れ死に?してたらしいです。
でも、拾ってくれたからここまで元気になったし、征が優しかったから一緒に入れた。
―だからこれからもずっと一緒にいるものだって思い込んでた
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