今更、そんなの無理だから
*ブログネタ
*馬鹿やなぁ、アンタ
※原作を少しパロってます
昼は自分が、ぬらりひょんの血を受け継いでることを隠したまま、ゆらと付き合ってたけど、それがバレた翌日の話。
「なんなん、話って」
朝になれば、リクオの姿が妖から人に変わり、本当にあの妖怪が彼だったのだとゆらは思う。
「ごめんね」
リクオが申し訳なさそうに謝罪して、ゆらはああ、と頭の中で昨日のことを思い出す。
「それはこっちのセリフちゃうん?
バカ竜二のせいで怪我しそうになったんやから」
「違うよ、彼…夜の僕のことをずっと君に黙ってて付き合ってたんだから」
おや?とゆらは内心で首を傾げる。
彼の言いようだとまるで――。
「変な言い方するんやなぁ
あの(ムカツク)妖怪も奴良くんとちゃうん?」
「う、ん…そうなんだけど、彼は畏ろしいけど憧れるから、自分じゃないみたいに感じる
実際、時々、夢の中じゃ会えるからね」
「夢?」
リクオの言葉に疑問を感じたゆらは再び問う。
「うん、精神世界って僕は呼んでるんだけど…」
それからリクオは全てではないが、ゆらに出来るだけ話した。
ゆらはその話に、どこと無く感じていた違和感の正体が分かった。
「それと、夜の僕がごめんね、池に落としちゃって」
「そないなことかまへん
(あの妖怪にはいつか仕返ししちゃるけどな!)」
しゅん、と項垂れるリクオにゆらは笑顔で告げる。
「……ずっと黙ってて怒ってない?」
「怒るっちゅーより、驚いたのが本音や
ウチは陰陽師やから、奴良くんが言い出せんのも仕方あらへんとは思うとる」
「そっか良かったぁ……」
正直な気持ちを打ち明ければ、花が咲くように笑う奴良くんにゆらは首を傾げる。
「だって、夜の僕が、花開院さんに知れたら振られるって脅すから」
言うのが怖かったと悲しそうに告げるリクオの言葉を聞いて、ゆらは笑う。
そして、奪うようにリクオに口付けた。
それは一瞬だけの戯れのような触れるだけのキス。
それでも初なところがあるリクオは真っ赤になる。
「馬鹿やなぁ、アンタ
ウチは奴良くんが好きなんやから、別れるやなんて有り得へんよ
(ふふん、ざまあみろ…恥ずかしいんやけど、あの妖怪にはこれが一番やからなぁ!)」
ゆらはとても嬉しそうに未だに赤くなり呆然とするリクオを置き去りに綺麗に笑った。
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