お子様禁止区域!!


*ブログネタ
離さないよ、面白いから。





何だか最近ゆらさんに避けられてる気がする。

見掛けたから名前を呼べば、一目散に逃げていく。

最初は呆然として、追い掛けることすら出来なかった。

その次も、そのまた次も、最近じゃ、僕の顔を見ただけで逃げる。

何かしたのかな?

そう悩んでいたのは最初だけ。

けれど、いつまでもこのままじゃ埒が明かない。

それに彼女は直ぐに顔に出るから、分かり易い。

今日も逃げられて、リクオは溜息を吐いた。

彼女は分かってるのかな?
いくら妖術が使えなくても、僕の中に妖の血が流れていること。

スッと目を細めて人込みを、一瞬だけ見据えてからリクオは走り出した。

誰にもぶつからないように走り続けて、少し経ってからようやく見つけ出す。


「つーかまえた♪」

「な、何で!?///」

背後から抱き締めれば、驚愕した声にリクオは口端を緩ませる。

「何でって、ゆらさんが逃げるからでしょ?」

「に、逃げて、なんか!!?」

「じゃあ、僕を避けるのは何で?」

「避けてへんよ!!それより離して!!」


リクオに抱き締められたままゆらは叫ぶ。

「頑固だなぁ、理由を離してくれたら良いよ?」

耳元で喋れば耳まで真っ赤になり、リクオは頬を緩ませる。

「、っ……だって、恥ずかしいんやもん
ウチはこんなんやから、今まで恋とか、初めてやから、どないにしても照れてまうんや////」

「(まあ、そんな事だとは思ってたけど)
僕だって初めてだよ
だから、ゆらさんといろんなことしたいと思う」

「いいいいろんな、ことって////」

「あはは、ただ単にデートとかの話だったんだけど、本当にゆらさんて想像力豊かだよねぇ
(まあ、否定はしないけどさ)」

わたわたと喚くゆらにリクオは笑う。

「うぐ!
もう、良いやろ…理由を話したんやから、離れてや!!」

ジタバタと藻掻くゆらにリクオは口端を歪ませる。

「うぅん? 離さないよ、面白いから。

「な、何言うん、面白くないわ〜!!」

「え〜面白いよ?
真っ赤になるゆらさんは可愛いから」

つい、虐めたくなるんだ

甘ったるく耳元で囁けば、ゆらはボン!と更に顔を真っ赤にさせて気絶した。

目をぐるぐるさせて意識を失ったゆらを抱えたままリクオはその場に座る。

「ちょっと刺激が強過ぎたか……
こんなんじゃ、まだ先には進めないかもね」


ゆらの頬をツンツンと突きながらリクオは溜息を吐く。

けれども言葉とは裏腹にリクオのゆらに向ける眼差しはどこまでも甘く優しかった。


「おあずけくらったんだから、少しくらい味見しても良いよね?」

ニヤリと口端を歪めてリクオはゆらの頬に口づけを落とした。





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