彼と彼女のLoveDays


*ブログネタ
かまってほしいだけなのです





昨日も今日も彼氏は忙しいようです。

あれ?おかしいな
奴良くんはウチと付き合っている筈なのに。

チラリと見れば、奴良くんは名前も知らない生徒達と話してる。

ジッと見つめても何も変わらない。

楽しそうに笑っているリクオを、ゆらはただ見つめていた。

どこか行こうと話してる訳じゃあないけれど。

二人だけで過ごすのはウチかて無理やと思っとる。

せやかて、彼女を放置するってどないなん!?

ピクピクと耳を澄ませば、遊びに行こうと言われている。

それをぬらりくらりと躱すリクオにゆらは溜息を吐く。


やっぱり奴良くんはぬらりひょんの孫やな。

あの妖怪と同一なのは納得しとうなくとも、こういう時は納得せざるを得ない。

早うせんと二人の時間が減るとゆうのに奴良くんは変わらない笑みで相手してる。

バイバイ、と他の生徒達と別れた奴良くんがウチの所に来ようとすると家長さんが呼び止める。


気にせぇへん、気にせぇへん。

奴良くんは幼なじみって言っとったし!

「………………やっぱり嫌や」

好きな人が違う女の子と居るのは見たくない。

それに奴良君は妖(特に男)からモテてるし。

「まだ帰らないの?」

「もしかして待ってた?
…ごめん……カナちゃん、今日は一緒に帰れないや」

見たくないけど、奴良君を信じてるけど、

会話が気になって、耳を傾けてしまう。

「今日は淋しがり屋の恋人と過ごす予定なんだ
さっきから彼女が待ってるから、だからごめんね、気を付けて帰ってね、バイバイ」

「え、!?」

どこか嬉しそうに微笑むリクオの視線の先には、ゆらが居て。
カナやクラスメートが愕然とする最中、自分を呆然と見るゆらに真っ直ぐ近寄る。

「ごめんね、待たせて
じゃあ…帰ろっか」

ふわりと温かな笑顔で告げるものだから、それを直面したゆらは頬を染めて頷く。

リクオがクラスメート達にじゃあね、と挨拶をして、二人が教室を出てから、クラスメート達の叫声が響き渡る。


「良かったん、あんな簡単に言って」

「別に隠すことでも無いしね
後はゆらさんに悪い虫がつくと僕が困るから」

ゆらが問えば、にこりと微笑んで告げるリクオにゆらは溜息を吐いた。

「それよりもさ、今日はずっと僕を見ていたよね?」

かまってほしいだけなのです

そんな言葉を言える筈もなく、

「気付いててあの態度なら意地悪いんやない?」

拗ねたような口調で、言ってしまう自分が嫌になった。

家長さんみたいに可愛いかったら、もう少し可愛げのある事を言えたかもしれない。

「だって、私をかまってよ、って見つめるゆらさんが可愛いかったからさ
それに……僕が意地悪するのはゆらさんだけだよ」


サラリと告げるリクオにゆらは顔を赤らめる。

「、な……何言うてんの!!?」

「あれ、京都じゃ言わない?
好きな子ほどいじめたい、って」

リクオの言葉に、今度こそゆらは真っ赤になって、言葉を噤んだ。


「(天然で誑(タラ)すなんて質が悪過ぎるわ////)」


熱が上がる一方のゆらは内心でそう呟いた。





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