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「おいマルコ、そろそろ仕事あがろうぜ」
「ああ」
今日サッチとエースが家に来る。今までだって何度も家に来たことがあったが今日は前とは違う。そう、今は、
「マルコの嫁さんか〜。楽しみだな」
「どんな人なんだ?」
「普通だ、普通」
結婚してからこいつらを家に呼ぶのは初めてだ。いや、呼ぶというのは些か語弊がある。おれの嫁が見たいと仕事中にも関わらずうるさいから仕方なく了解したのだ。
もちろんaaaにもその旨は伝えてある。同僚が家に来るからと。
「なあなあ、嫁さんのメシうまい?」
「普通」
「おいさっきからそればっかりじゃねェか」
伝えた時のaaaの顔には少しの不安が見て取れた。おれが気にしているのはそこだ。aaaは上手に料理ができるか、おいしく作れるかと心配していたようだった。はっきり言えばそれは杞憂なのだが、残念ながらそれを素直に伝えられるだけのスキルがおれにはない。本当に非常に残念でならない。
aaaもあれでドジな一面があるから焦って怪我でもされたりしたら困る。何もなければいいが。
「なんだよ、怖い顔して」
「あぁ?」
「眉間にすっげー皺寄ってたぜ?」
「うそだろ。バナナはつるつるのはずだ」
「おいエース、殴られてェのかい」
心配していても仕方ない。早く帰るか。
「あ」
「なんだよ」
そういえばaaaに伝えるのを忘れていた。エースが大食いであることを。なんだか嫌な予感がする。
「おい、早く帰るぞ」
「どうしたんだよ。まっまさか…!」
「あぁ?」
「嫁さんに早く会いたくてしかたないのか!」
「は!?」
「ひゅ〜!マルコさんってばラブラブ〜」
「バカ言うな!さっさとついてこい!」
仕事よりもこいつらといるほうが疲れるってどういうことなのか。
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